『High Fever』インタビュー
FANTASTICS、ドラマ出演や『LIVE×ONLINE』で得た多彩な表現力 それぞれが思い描く次なる“夢”も語る
爽やかなビジュアルや楽曲、スタイリッシュなダンス、演劇パートを取り入れた独創的なライブスタイルなどが魅力のダンス&ボーカルグループ、FANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)。グループ初主演のドラマ『マネキン・ナイト・フィーバー』(日本テレビ系)も大好評な彼らが、11月11日にニューシングル『High Fever』をリリースした。今作には、ドラマ主題歌である「High Fever」と挿入歌の「CANNONBALL」、自分達の可能性を信じて勇ましく進んでいく姿を描いた「Keep On Movinʼ」が収録されている。
今回は、ボーカルの中島颯太、パフォーマーの佐藤大樹、堀夏喜、木村慧人にインタビュー。ドラマ出演の裏話や、『LIVE×ONLINE』でも披露された新曲の制作エピソード、4人が思い描く次なる“夢”について、じっくりと語ってもらった。(斉藤碧)
「ウィッグをつけた瞬間に人が変わったかのように演じられた」(木村)
ーーFANTASTICSが主演するドラマ『マネキン・ナイト・フィーバー』はみなさんにとって大きな挑戦となったと思いますが、以前から俳優業をされている大樹さんは、メンバーの変化をどう感じているのでしょうか。
佐藤大樹(以下、佐藤):クランクインする前にみんなで稽古をしてから撮影に臨んだのですが、前回のホールツアーで初めて全員で芝居に挑戦させてもらった時と比べると、振り覚えとセリフ覚えの早さが格段にレベルアップしていて。実は僕が一番焦ってました(笑)。僕が初めてドラマに出た時なんか、オンエアを観て絶望しましたから。でも、今回は初回放送を観てもちゃんと仕上がっていたので、すごいなぁと思いました。ドラマ撮影を通して表現力も増したと思うし、この1年のみんなの成長には驚かされています。
ーーメンバー各々にキャラクター設定がある中で、慧人さんはレディーという女性キャラを演じられました。以前から芝居の仕事をしたいと話していましたが、レディーを演じてみていかがでしたか?
木村慧人(以下、木村):そうねぇ......(レディー口調)。
堀夏喜(以下、堀):おっ、レディーだ(笑)。
木村:ふふふ。僕はこの役を演じるにあたって、過去に男性俳優さんが女性キャラを演じているドラマや映画を観て、勉強しました。その成果が出たのか、現場ではウィッグをつけた瞬間に人が変わったかのように演じられました。演じるときは基本「内股」というのは自分の中で決めていたのですが、違和感なく入り込めました。メンバーからも「だんだんレディーに見えてきた」と言ってもらえたのでよかったです。
ーー素顔の慧人さんをよく知っているメンバーから見ても、女性として可愛かったですか?
木村以外の3人:可愛かったです!!
佐藤:本当に女性に見えてたよね?
中島颯太(以下、中島):うん、女の子でした。
佐藤:撮影していたのが深夜帯だったので、みんなが疲れてくる頃に慧人が女性っぽいことをやってくれると、妙にテンションが上がりました。それがありがたかったです。ただ、朝5時くらいになると、髭が伸びてくるので......(笑)。
ーー慧人さんはシンデレラだったのですね。
一同:あはははは!
木村:シンデレラタイムが決まっていたので、魔法が溶ける前に撮影してました(笑)。
ーー演技の他にも、このドラマでは颯太さんがギターの弾き語りを披露していたり、堀夏さんがアドリブで笑いを誘っていたり、“歌って踊る”だけではないFANTASTICSの魅力をお茶の間に届けていました。颯太さんと堀夏さんは、撮影を終えてどんな手ごたえを感じていますか?
中島:僕らのことをよく知ってもらう良い機会になったなと思います。ギターの弾き語りは自粛期間にずっと練習していたのですが、ドラマの現場では急に「この曲とこの曲、弾ける?」って言われることもよくあって。時間がない中で仕上げなければならず、かなり大変でした。でも、僕のギターに合わせて大樹くんが歌う場面や、ボーカルもパフォーマーと一緒に踊る曲があったりして、ドラマを通してFANTASTICSの新しいパフォーマンスを見出せたなと感じています。
堀:アドリブパートに関しては、1話からたくさん盛り込まれていたのですが、撮影はかなり緊張しました。台本に「一人一人答えていく」とアドリブの指示が書いてあるので、事前に何パターンも考えました。でも、いざ現場に行くと、共演させていただいた水野(美紀)さんが何回も振ってくださるので、どんどん考えてきたネタが尽きてしまい......。みんな、本気の顔になってました。その本気な感じが、放送で観たら面白いなと思いました。
佐藤:なんかさ、なっちゃん(堀)だけ、やたら水野さんに振られてなかった?
中島:みんなは2~3回答えてOKだったのに、1人だけ8回くらい振られてましたよね。
ーー『ホリナツのカンムリ(仮)』(堀がMCを務める番組)も始まって、どんどん面白いキャラが開花しているホリナツさんだから、きっと期待値が高かったんですよ。
堀:そうなんですかね? ここ1年、個人でもいろいろな仕事をさせてもらう機会が増えて、だいぶ鍛えられたとは思いますが、アドリブ合戦では見事にボコボコにされました(笑)。
「ストーリー性のある構成が振付の面白いところ」(佐藤)
ーードラマの主題歌にもなっている「High Fever」について伺っていきます。煌びやかなエレクトロサウンドで、ドラマの世界観にもすごく合っていますが、FANTASTICSとしては新しいアプローチですね。
木村:はい、80年代のシンセポップに挑戦させていただきました。新しいジャンルに挑戦できて嬉しい反面、最初にトラックを聴いた時は「テンポが速い曲だな」と感じました。世界さんが考えてくださった振付も、FANTASTICS史上最速と言えるくらいのスピード感になっています。『LIVE×ONLINE』でも披露したのですが、このパフォーマンスを観た方は圧倒されたのではないかなと思います。
ーーボーカルの颯太さんも、歌う際にBPMの速さを感じましたか?
中島:BPMはすごく速いのですが、ボーカルはすごくゆっくり歌う感じなので、僕としては「歌詞がすごく伝わりやすい曲だな」という印象が強かったです。でも、歌詞の内容は“感情の昂り”をテーマにしているので、(八木)勇征くんと「ボーカルは感情のままに歌おう」と話し合いました。特にサビは、勢いを大事にして録っていきました。
ーー〈HiAiA ⽿を澄ませて聞いてみりゃいいじゃん〉から始まる颯太さんのラップパートは、低音が効いていて、いつもとは違う雰囲気にドキッとした方も多いと思います。
佐藤:あそこカッコいいですよね!
木村:僕も好き。
中島:ラップは初挑戦でしたが、低音がいいっていうのは、以前からボーカルディレクションの方に言っていただいてました。だから、今回はそれを出したいなと思っていて、試行錯誤して自分で音色を変えながら録りました。
ーー先ほど、振付は世界さんが考えたという話がありましたが、MVも公開されているので、改めて振付のポイントを教えていただけますか?
佐藤:今回のMVではサビと間奏しか振付を踊っていないのですが、イントロ部分では全員がマネキンポーズをとっています。ライブやテレビでパフォーマンスさせていただく時も、イントロがかかった瞬間にそのマネキンの配置になって、そこから曲が始まります。そしてマネキンが人間になって、そこからどんどん感情が高まり、サビでピークを迎える。そういうストーリー性のある構成が、この振付の面白いところです。全体を通して楽しんでいただけたら嬉しいです。
ーーとはいえ、パフォーマー6人でユニゾンしている間奏パートは、みなさんのダンススキルの高さを物語っていますね。
木村:ありがとうございます。一つひとつの振りが細かいので、それを覚えるのは大変でしたが、FANTASTICSはみんな振り覚えが早いので、なんとか対応できました。
ーーその一方で、さまざまな小物を使ったダンスシーンは、FANTASTICSらしいコミカルな仕上がりになっています。撮影、大変だったんじゃないですか?
佐藤:小物を使うところは、みんなでタイミングを合わせたりするのが大変でした。なっちゃんは、ポップコーンを撒くシーンが大変そうだったね?
堀:なかなか良い感じにばらまけなくて、何回も撮り直したのですが、僕らよりも掃除をするスタッフさんが大変そうでした(笑)。でも、そのくらい納得いくまで追求して撮影したので、ダンスシーンだけでなく、映像の撮り方やアクションにもぜひ注目してほしいです。すごく情報量の多い作品なので、何回観ても楽しんでいただけると思います。
佐藤:僕だったらスケルトンの電話とか、颯太だったらラップパートでつけてるメガネなど、メンバー自ら持ち込んだ小物も撮影に使われています。