FANTASTICS、多方面なエンタテインメントで魅了した怒涛の24曲 初披露の楽曲も充実した『LIVE×ONLINE IMAGINATION』

FANTASTICS、初披露も充実した怒涛の24曲

 オンラインならではの演出や映像を体験できる有料配信ライブ『LIVE×ONLINE IMAGINATION』。6日目となる9月24日にはFANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)が登場した。この日のコンセプトは“パフォーマンスで魅せきる”こと、そして“観ていただく方に大満足してもらう”ことだったという。グループ史上最長ライブであり、初披露曲などサプライズ要素もたっぷり用意しているとのアナウンスもあり、期待が膨らんだ。

 リーダーの世界、佐藤大樹を先頭にカメラの前に姿を現したメンバーが1列に並ぶと、メジャーデビュー曲「OVER DRIVE」でライブは幕を開けた。もともとパフォーマーのみのグループとしてスタートしていることもあり、同曲の間奏部分など、パフォーマンスのシンクロや華やかさに改めて目を見張った。デビューから約2年の活動を経たボーカルコンビの八木勇征、中島颯太の成長ぶりも頼もしい。盛り上げ曲として人気の高い「Tumbling Dice」では、センターでタイトに踊る堀夏喜を筆頭に、木村慧人らパフォーマーたちが表情でもカメラにしっかりとアピール。

 「WHAT A WONDER」では、パフォーマー・瀬口黎弥が昨年のツアー『FANTASTICS SOUND DRAMA 2019 FANTASTIC NINE』でも披露したラップをより進化させて視聴者の目と耳を惹きつけていく。各パフォーマーのソロも組み込まれ瞬きの隙を与えなかった同曲に続けて、しっとりとセクシーな「Hey, darlin'」がスタート。レゲエ風のビートも心地よい「Overflow」(シングル『Hey, darlin'』収録曲)は、配信のコメント欄で「ずっとパフォーマンスが見たかった」という声も多かった、この日初披露の一曲だ。

 ここからバラードコーナーに突入。前日リリースしたばかりの「Winding Road ~未来へ~」を、同曲を振り付けた木村のソロも交えつつ展開。さらに「ターミナル」では澤本夏輝、「The Only One」(シングル『Hey, darlin'』収録曲)では堀がソロを披露するなど、各パフォーマーをフィーチャー。「Dear Destiny」では瀬口がベッドに横たわる体制からソロで魅せ、“運命の恋”を描いた楽曲の世界観を官能的に盛り上げていった。そしてEXILEのカバー「あなたへ」では、ボーカルコンビとともにEXILEとの兼任メンバーであるリーダー2人が登場。役者としてもおなじみの佐藤が感情を爆発させるように、世界が秘めた情熱を解き放つように、それぞれ圧倒的なパフォーマンスを見せつけた。

 MCでは「モニター越しではありますが、みなさんの声、ちゃんと聞こえてます!」と八木が挨拶。中島が「みなさんの心に届くように歌わせていただきます」と歌い始めたのが、グループにとって初のバラードで思い入れの深い「Believe in Love」だ。八木のミドルボイスと中島のハイトーンの質感をじっくり堪能できる同曲のあとには、パフォーマーたちによるコーナー「FANTASTICS PERFORMER SHOWCASE 7 Floors」へ。前回の『LIVE×ONLINE』でも好評だったが、流れるようにしなやかな動きで魅了する堀、R&Bをバックにソフトに視聴者を誘う木村、ディープなヒップホップで圧倒する瀬口、レトロなディスコサウンドで踊る澤本、木村とのコンビネーションでテンション高く踊りまくる佐藤、アニメ映像を交えつつ超絶技巧を盛り込む世界と、それぞれがカラフルに個性を発揮していた。ドローンも駆使した「Can't Give You Up」では、生ライブさながらにコメント欄に「HEY! HEY!」の掛け声が続く。ジャージの上着を脱ぎ捨てて踊る瀬口や、時折シャウトも交えながらモニター越しに視聴者を煽る八木、笑顔で盛り上げる中島と、ステージのボルテージも最高潮に。

 「僕たちがアーティストになるという夢を持つきっかけであり、楽曲に勇気をもらったアーティストがEXILEさん」(中島)というコメントの後にスタートしたのが「I Wish For You」「Someday」「Flower Song」(いずれも初披露)といったEXILEカバーメドレーだ。キッズ時代にサポートダンサーとしてEXILEのライブに出演したメンバーもいることから楽曲への思い入れはひとしおのようで、「I Wish For You」冒頭ではフォーメーションのフロントに本家EXILEでもある世界と佐藤が立つなど、EXILEのDNAを継承し新しい形のエンタメとして届けていくJr.EXILE一員としての矜持を垣間見た気がした。このブロックを締めくくったのが、彼らがかつてフィーチャリングで参加し、のちにアルバムでカバーした「Turn Back Time」だった。デビュー前に急逝したFANTASTICSパフォーマー・中尾翔太を含め、夢を追うすべての人へのメッセージを込めて書き下ろされた同曲。パフォーマンス中は中尾ゆかりの花であるひまわりの絵文字がコメント欄を埋め尽くした。

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