荻原梓のチャート一刀両断!
Sexy Zone、“大人な魅力”放つ『NOT FOUND』がチャート首位 多様なカップリング曲まで歌いこなすボーカルに感じる成長ぶり
参考:2020年11月16日付週間アルバムランキング(2020年11月2日~2020年11月8日)
最新のオリコンチャートによれば、Sexy Zone『NOT FOUND』が244,021枚を売り上げ1位を獲得。続いてBUMP OF CHICKENの『アカシア/Gravity』が92,415枚で2位、ラストアイドル『何人(なんびと)も』が76,995枚で3位。大きく健闘した両者を抑え、盤石の人気を誇るSexy Zoneが首位に立つ結果となった。
『NOT FOUND』はSexy Zoneの通算19枚目のシングル。活動復帰した松島聡も参加し、5人体制に戻って初めてのリリースとなる。表題曲はラップの作詞に菊池風磨も参加し、その菊池が主演を務めるドラマ『バベル九朔』(日本テレビ系)の主題歌となっている。跳ねるリズムのピアノロック系サウンドを繰り広げる本作。途中でジャジーな展開も見せつつ、リズミカルなラップも登場したかと思えば、重厚なギターサウンドへと移り変わっていく。全体の分厚いサウンドに一役買っているのが、低音で“6人目のメンバー”と言わんばかりに主張するベースの存在である。このベースは編曲を担当した亀田誠治によるもので、金管隊と絡み合う華麗なプレイはやはり圧巻の一言。今作で“大人な魅力”を放つSexy Zoneを音楽的に支えている。
今回のシングルで驚いたのは、その“大人な魅力”がまったく彼らに馴染んでいるということだ。目まぐるしく変化していく演奏にも押されることのない歌声の安定感。低めの音程をクールに、かつセクシーに歌い上げるボーカル技術。Sexy Zoneってこんなに大人だったっけと、その成長ぶりを痛感させられた。初回盤に付属しているDVDでも、松島が「活動休止中に見ていたSexy Zoneが“大人に見えた”」と発言していたが、まさに現在の彼らの音楽性やキャラクター性はデビュー当時とは大きな変化を遂げているのだろう。