櫻坂46 森田ひかる、周囲から支えられるセンターに? 力強いパフォーマンス、一体感重視する姿勢が生む新たな像
メンバーやファンとの“一体感”
しかし、だからと言ってグループ活動においても“1人”が好きなのかというとそういうわけではない。森田が表紙を飾った『blt graph. vol.58』を読むと、彼女がライブでメンバーやファンとの一体感を大事にしていることが分かる。
「パフォーマンスを通じて得られる一体感が好きなんです。メンバーだけではなくて、会場や日が違うとファンのみなさんの雰囲気も違っていて。ライブは生き物だってよく言われますけど、本当にそうだなって」
「私は本当にファンのみなさんと一緒に作っていきたい、という精神を大事にしたいんです」
振り付けも複雑で、また楽曲によってはオーディエンスの声もほとんど作品の一部となっているもの(「世界には愛しかない」の冒頭や「不協和音」の掛け声など)もある櫻坂46にとって、こうしたチームワークを重視する姿勢はグループが新しくなろうとも必要不可欠の要素である。新グループのセンターに相応しい精神と言えるだろう。
そして新曲のフォーメーションで注目なのが、森田の両隣に1期生の小林由依と渡邉理佐が選ばれている点だ。2人は経験も豊富で実力も充分。森林コンビとしてファンから親しまれている小林と、グループのやさしいお姉さん的存在の渡邉が、まさに“末っ子”の森田を支えるようにして立つ。おそらく今後の活動で森田にもいろいろと乗り越えなければいけない壁がやってくるだろう。そんなとき両隣の2人の力が支えとなるはずだ。この“周りに支えられるセンター”こそ、櫻坂46の新しい楽しみ方のひとつなのかもしれない。
メンバーやファンを大切にし、支えられるセンター。森田だけでなく他の2人のセンターについても、彼女と同じように周りのメンバーに支えられながら新しいセンター像を作り上げていってほしい。
■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)