花澤香菜、早見沙織、上田麗奈……『鬼滅の刃』で重要キャラ担う女性声優たちの目覚ましい活躍
10月16日、『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』がついに公開された。原作漫画も終了し、現在、物語としてはこれ以上の続きが作られていないなかで、それでもなお2020年を盛り上げ続けている『鬼滅の刃』。劇場版の公開3日間での興行収入は約46億円、動員数は342万493人を記録し、日本国内で公開された映画の歴代記録を塗り替え、まさしく大ヒットしている。
その人気を支えたのは、関連グッズや主題歌、Netflixなどの配信サービスの影響もあるが、アニメ『鬼滅の刃』に出演した声優らが様々な活動を通して、多くの人に周知されてきたということも決して見過ごせない。
先日、竈門禰豆子を演じた鬼頭明里をピックアップした記事も掲載されたが、今回はアニメ『鬼滅の刃』にて重要なキャラクターを演じる女性声優のうち、花澤香菜、早見沙織、上田麗奈の3人に目を向けてみようと思う。
花澤香菜(甘露寺蜜璃役)
花澤香菜は日本国内外に住まうアニメファンはもちろんのこと、実は中国での人気も非常に高い。2012年頃、ネットユーザーを中心に中国でも広く知られるようになった花澤は、出演する多数のアニメ作品のヒットも手伝い、人気が急上昇。年越し番組にも2年連続で出演しており、中国語での歌やダンスも披露している。今年7月に声優の小野賢章との結婚が発表されると、ニュースなどで報じられ、その注目度は絶大だ。
花澤は、天性ともいえようウィスパーボイスを武器にし、2009年には大ヒットアニメ『化物語』で千石撫子役を演じ、その声色の魅力を存分に示して見せた。当初は幼いがゆえにおぼつかなかった演技力も、年を経るごとに格段の進歩をみせ、2012年に演じた『PSYCHO-PASS サイコパス』での常守朱役で見せたクールかつ負けん気の強いヒロインや、『てーきゅう』の板東まりも役での関西弁でぶっとんだギャグキャラなども演じている。
ウィスパーボイスがゆえに「か弱い」「クール」なキャラクターを演じていると想像されやすいが、力のある硬い声を発したり、アグレッシブでアクの強いキャラクターも演じられるよう、役の幅を徐々に広げてきた。その後も様々なヒロイン、サブヒロイン役を任され、今では女性声優界を代表する存在へと成長していった。
また、2012年からはソロシンガーとしても活動。今年の年初に行われる予定だったツアーは新型コロナウイルスの影響もあり中止、代わりに『KANA HANAZAWA Acoustic Live 2020「かなめぐり2」オンラインライブ』が10月18日に開催されたばかりだ。
そんな彼女が『鬼滅の刃』において演じるのは、恋柱こと甘露寺蜜璃だ。甘露寺は、非常に女性らしい一面をもちながらも、その肉体は男性にも負けぬほどの剛力を誇っており、柔らかさと強さを併せ持った存在である。同じように「柔らかさと強さ」を併せ持った今の花澤が甘露寺を演じるというのは、演者とキャラクターを重ねてしまいそうになる。今後、もしアニメの続編が制作された場合には、どのような演技を見せてくれるのか、非常に気になるところだ。