早見沙織が語る、『GARDEN』で再確認した音楽創作の原点「自分の音楽が誰かの救いだったり、癒しになれば嬉しい」

早見沙織が語る、『GARDEN』で再確認した音楽創作の原点「自分の音楽が誰かの救いだったり、癒しになれば嬉しい」

 2020年にアーティストデビュー5周年を迎えた早見沙織が、9月2日にミニアルバム『GARDEN』をリリースした。今年3月に発表した『シスターシティーズ』はクリエイター陣からの楽曲提供で構成されていたが、本作では新たに発表された新曲4曲の作詞作曲を早見沙織が担当。彼女のシンガーソングライターとしての成長が、5年のキャリアと共に浮かび上がってくるような一枚になっている。

 完全リモートの環境で制作が進められたという本作。早見自身も、当初想定していたものとは異なる要素も加わっていると制作を振り返る。本インタビューでは、制作に参加した冨田恵一(冨田ラボ)や岡部啓一(MONACA)らとの制作エピソードをはじめ、この5年に対する感慨、そして現在の状況を受けて改めて向き合った歌手活動に対する想いについて話を聞いた。(編集部)

アーティストとして表現したいものを考え直すきっかけになった

ーーまずはアーティストデビュー5周年おめでとうございます。改めて5年間のアーティスト活動を振り返って、一番の転機はどこにあったと思いますか。

早見:ここ数年は転機続きだったのですが、『JUNCTION』(2018年)を作ったことは大きかったと思います。楽曲制作にもがっつり携わらせていただいたりと、結構チャレンジングなことをしていましたから。

ーー『JUNCTION』は個人的にも名盤だと思うんですが、その楽曲を育てるツアーも良かったです。先日『HAYAMI SAORI Concert Tour 2019 “JUNCTION” at 東京国際フォーラム ホールA』の映像をYouTubeで配信し、早見さん自身も同時視聴・実況で参加しました。テンションの上がりっぷりも含めて面白かったのですが、みなさんと映像を見ることで、改めて気づいたところはありますか?

早見:2019年の段階では演者としての心意気ーーステージに立って、皆さんの前でしっかり構成したライブをお届けすることに全力を尽くしていたんですが、みなさんと一緒に実況した時は、一人のお客さんのような気持ちを味わうことができました。だからこそ、開始前のワクワクする気持ちや、同じようなところで「ここ高まったよね」って盛り上がれたことで、また別の視点をもらえたようなところがありました。

ーー今回の配信は新型コロナウイルスの影響で『早見沙織 5th Anniversary Tour “Your Cities”』が中止になったことを受けてのものでした。新型コロナは声優のお仕事を含め、早見さんの生活にも大きな影響を及ぼしたと思うのですが、今回の『GARDEN』に関しても、そういった出来事を受けて作った楽曲が多いのでしょうか。

早見:ミニアルバム『シスターシティーズ』の活動が3月末ぐらいに終わって、そこから制作に入ろう、というときに緊急事態宣言が出てしまい……外出自粛期間と制作期間がピッタリ被っていたので、楽曲に与えた影響はかなり大きかったと思います。外に行く仕事はほとんどなくなったなかで、楽曲制作は家の中で真摯に向き合うことができることの一つでもありましたし、これまでは仕事から家に帰ってきて、深夜にかけて作業をしたり、移動時間で歌詞を考えることが多かったのですが、今回は朝起きてから、夜寝るまでずっと一つの楽曲を作っていたりと、制作の仕方や時間帯なども大きく変わりました。だからこそ、すごく内省的になって、「自分がどういう風にこの曲を表現していきたいのか」「アーティストとして、これからどういう表現をしていきたいのか」というのを、改めて考え直すきっかけになった期間でしたね。

ーーということは、色んなプロデューサーと組んで“外”と向き合う『シスターシティーズ』と、自身が手がける楽曲を多く収録し“内”に向き合った『GARDEN』というコンセプトは、期せずして制作の時期にマッチしていった、ということなんですね。

早見:そうですね。とはいえ元々表現しようとしていた“内”の感じからはかなり変わったと思います。特にリード曲の「garden」の歌詞は、新型コロナの影響を受けていなければ、全然違ったものになっていたかもしれません。

ーー曲を完成させていく工程も、基本的にはリモートになったり、動くにしても最小人数という形になったりと、制約のある状況で進んだと思います。ご自身がもともと描いていた『GARDEN』の方向性から、大きく変更せざるを得ない点はありましたか?

早見:リモートでの制作は完全に予想外でしたが、大きな方向性はあらかじめ決めていたものをベースに作っていくことはできました。

ーー盤を通しての印象として、作曲段階ではかなりシンプルなものが多かったのかな、という印象を受けました。良い意味での宅録感というか。

早見:そこを意識したわけではないのですが、自分の内側からこぼれ出たものに焦点を置いた結果、そう感じていただけるものができたのかもしれません。

ーー『GARDEN』制作期間中よく聴いていた音楽はありますか?

早見:チェット・ベイカーの「Almost Blue」をエンドレスリピートしていました。あとはORIGINAL LOVEさんの「月の裏で会いましょう-Let’s go to the darkside of the moon-」とか、Night Tempoとか。

ーー早見さんの口からNight Tempoという単語が!

早見:私、Night Tempoは古参なんですよ(笑)。いろんな人に勧めまくっています。

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