Perfume、テクノロジー演出の粋を集結させた『Reframe』を劇場で追体験 飽くなき挑戦と卓越した技術から生まれた映画に

 Perfumeのメジャーデビュー15周年、そして結成20周年を記念するキャンペーン『Perfume 15th&20th anniv with you all』の一環として、映画『Reframe THEATER EXPERIENCE with you』が劇場公開された。この映画は“Reframe=再構築”をテーマに、テクノロジー演出と音楽ライブを融合させた、革新的で実験的なコラボレーションを映像化したもの。監督は2015年の劇場用映画『WE ARE Perfume -WORLD TOUR 3rd DOCUMENT』も手掛けた佐渡岳利だ。

映画『Reframe THEATER EXPERIENCE with you』予告編
Perfume 8th Tour 2020 P Cubed in Dome
『Perfume 8th Tour 2020″P Cubed”in Dome』

 この映画では、2019年10月に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)のリニューアルオープンを飾った『Reframe 2019』全8公演の千秋楽を収録している。もともと『Reframe』は、2018年に東京・NHKホールで開催された2日間のイベントだった。Perfumeのライブにおいて年々その効果を発揮していた、ライゾマティクスによるテクノロジー演出をライブ全体へ拡張し、新しいパフォーマンスを志向したこの取り組み。テクノロジー演出の粋を集めたハイエンドなライブ体験であり、多面的な要素を持つPerfumeライブの、テクノロジーという一面にフォーカスしたコンセプチュアルな公演でもあった。

 その再演である『Reframe 2019』が、アリーナなどの大会場ではなく、2000人規模のホールでの8回公演になった背景には、“常駐公演”という概念がある。たとえばニューヨークのブロードウェイやロンドンのウエストエンドでは、多くの劇場で様々な公演が長期間に渡り開催されていて、気軽に一流のライブに触れることができる。Perfumeでもそんなあり方を目指したわけだが、その規模ゆえにチケット入手は困難を極めた。今回の劇場公開は、その希少な公演を追体験できるまたとない機会だ。

 収録されたライブの内容に触れておくと、1時間強の演目を休憩やMCなしで行う構成や、観客は着席して鑑賞する形式は2018年と同様。しかしテクノロジー演出はかなりの部分で入れ替えやアップデートがなされており、舞台上のディスプレイに投影される映像や、各種データ・音響の可視化といったCG技術をはじめ、ダイナミックVR、AR、トラッキングによる照明コントロール、音響と照明の同期、無線制御による大型機構など、すでにPerfumeライブではおなじみの技術から、今後のライブ表現を刷新するかもしれない最先端の技術までが惜しみなく投入されている。

 『Reframe』のタイトル通り、これまで発表した楽曲や映像、メンバーの3Dデータといった膨大な素材を元に、機械学習によって特定の画像や単語のパターンを抽出するなど、さまざまな切り口でPerfumeの軌跡を“再構築”するような映像演出に目が向きがちだが、照明による演出も光量や色彩などのデザインが美しくも斬新で、公演の独創性に大きく寄与している。

 本作でのPerfumeのダンスパフォーマンスからは、いつも以上に精密で正確無比、そしてクールでタイトな印象を受ける。ダンスと演出が緻密に連携する場面が多いため、Perfumeの一挙手一投足が照明や映像を統率しているようにも見えるし、映像と照明が3人と完全に一体化しているようでもある。観客が固唾を飲んで見守る緊迫した空気の中、鍛え抜かれたダンスの技術と集中力を持続させるだけでも只事ではないが、それを3人がぴったり息を揃えて見事にやり遂げるわけだから、これはもはや偉業と呼んで差し支えないだろう。

 『Reframe 2019』には実験的・前衛的な面もあり、ともすれば無機質で難解にも感じられるが、Perfumeの肉声をリアルタイムにサンプリングして音楽的に構築する場面があったり、3人の生身のポージングを起点に高度な映像演出が展開したりと、実はアナログでフィジカルな要素があってこそのもの。テクノロジー演出が主役になるのではなく、あくまでもPerfumeがパフォーマンスを発揮するための手法やアイデアとして機能していて、そのための作り手たちの優れた知見や熟慮が『Reframe』最大の特徴かもしれない。

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