8thシングル『ごく平凡な青は、』インタビュー
CYNHNに聞く、“3000キャパ”の目標への揺るがぬ決意 「大きなステージに行きたい気持ちは、どんな状況でも変わらない」
2020年3月に新体制でのシングル『水生』をリリースしたものの、コロナ禍に直面することになったCYNHN。名古屋、神戸、大阪、東京での公演を予定していた『CYNHN LIVE TOUR「Predawn Blue」』は中止となり、7月25日には無観客ライブ配信『CYNHN Streaming LIVE「Ordinary Blue」』を開催した。ファンとなかなか会えない状況のまま、約半年が過ぎようとしている。
そんななか、新たなアンセムの予感がするニューシングル『ごく平凡な青は、』が9月9日にリリースされる。『水生』から『ごく平凡な青は、』までの日々をどう過ごしていたのか、そして2021年9月23日までに3,000人キャパの会場を埋めるという目標をどう実現させようとしているのか、メンバーに聞いた。(宗像明将)
「ライブで自分たちの成長した姿を見せられないのがつらかった」(青柳透)
ーー3月の『CYNHN LIVE TOUR「Predawn Blue」』が中止を余儀なくされたとき、どう感じましたか?
崎乃奏音(以下、崎乃):うまくいかないな、って思いました。壁を乗り越える度に次の障壁が現れて、いつもうまくいきそうになるとうまくいかないなぁ……。
青柳透(以下、青柳):新体制になって『水生』をリリースして、もっと頑張るぞ、って思えてきていたのに、今度はライブができないのか、って。
百瀬怜(以下、百瀬):「えーっ、嘘ーっ!?」って感じでした。やりたい気持ちはもちろんあるし、悔しい気持ちが大きかった。まさかこんなことになっちゃうなんて、予想していなさすぎて。「これから行くぞ!」って感じだったのに。
月雲ねる(以下、月雲):ウイルスという仕方のないものの影響でライブができなくなるのが、もどかしくて悔しかったです。
綾瀬志希(以下、綾瀬):みんなと同じ気持ちです。
ーー4月には「Redice」のリモート生歌動画、6月には綾瀬さんがイラストを担当した「解けない界面論」のアニメーションMVが公開されました。今も有観客ライブはできていませんが、コロナ禍で環境が変わってから約半年、どんなことを考えて過ごしていましたか?
綾瀬:意外と充実していました。この期間、「私ができることってなんだろう?」ってずっと考えたり。アニメーションや絵、自分の歌の練習とかも含めて。自粛が明けたときにみんなの前に「バーン!」って立って、「こいつすげー!」って思ってもらえるように頑張ろう、という気持ちではありました。
ーー「解けない界面論」のイラストを描くのに、どれくらい時間がかかったんですか?
綾瀬:けっこうかかりました。自粛期間を全部使って描いたんですけど、その前にまずアニメーションというものが全く分からなくて。人が歩いたり、物を持つとか、そういう動きを一から学ばなきゃいけなくて、それにすごい時間がかかっちゃって。
百瀬:私は不安でしたね。見てくれている人のリアクションが少しずつ減っている気がして……。新しいことをしている方って今たくさんいるから、みんなそっちに行っちゃったんじゃないか、という。
月雲:だんだん気持ちが下がっていました。いろんなライブやイベントが中止になっていって、先が見えなくて。
青柳:ライブで自分たちの成長した姿を見せられないのがつらかった。SNSに可愛い自撮りを載せるのも大事だけど、現場に来て、見て、私たちの成長を感じ取ってもらうことがやっぱり一番じゃないですか。それができない状態が続いているのがもどかしくて。暗い気持ちになっちゃったりもしました。
ーー崎乃さんは大学を卒業して、上京して晴れて新生活……と思ったらコロナ禍でしたね。
崎乃:不安はもちろんあります。でも、「来年の9月23日までに3,000キャパを埋める」という目標を公言していて、それに向けて止まる時間はないから、今できることをしなきゃ、という気持ちがあって。歌とダンスの練習をしたり、LINE LIVEの配信を週に2回したり、アカペラの動画を週に1回出すとか、自粛期間中も精力的に行っていたんですけど、さっき百瀬怜ちゃんも言っていたように、リアクションが減っているような気がして。「配信ライブはちょっと敷居が高いのかな?」とか「3,000キャパという目標がそもそも時代に合っていないのかな?」とか、いろいろ悩んでいます。
ーーtalkport(ファンと一対一で話せるアプリ)では、ファンのみなさんとどんな話をしていますか?
綾瀬:まだ私しかやっていないんですけど(取材時)、めちゃめちゃ楽しかったです。久しぶりにファンの顔が見れた嬉しさもあったし、みんなも同じ気持ちでtalkportをしてくれているので、すごく盛り上がって。またやりたいな。
ーーそして7月25日には無観客ライブ配信『CYNHN Streaming LIVE「Ordinary Blue」』もありましたが、やはり会場だった横浜ベイホールを、本来の予定通り1,100人のファンで埋めたかったという悔しさもあったんではないでしょうか?
崎乃:それはそう……。
青柳:お客さんも大きいところに来たかっただろうな。
百瀬:もどかしいですよね。リアクションがその場で返ってこないし。2ndワンマン(2019年9月23日)をやった時は、オープニングで出た瞬間からつかんだ感じがあったんですよ、歓声の大きさとかで。でも、それがないから「今どう見えているんだろう? 盛り上がってくれているのかな?」って。
月雲:せっかく新しいことをやっていたのに、それをお客さんに直接見てもらえなかったのが残念でした。あと、きっと一人ひとり自分の見たい部分があるのに、配信ライブだと難しいのでそれも残念でした。
綾瀬:うん、すごい悔しい。
ーー2部構成で、フュージョンスクリーンを使ったり、アコースティック編成に挑戦したりした感想はいかがでしたか?
綾瀬:私は大きい舞台に立つのが1stワンマン(2019年2月24日)以来で、メンバーとの意識の合致だったり、携わってくれるスタッフさん、ライブに対してぶつけられる歌……それらが全部ひとつになった感覚がありました。それをみんなに直接見せられないのは残念なんですけど、それもまたひとつの階段なのかな。
ーー綺麗にまとめましたね。
綾瀬:(近隣に響く大声で)やったー!!
他のメンバー:(拍手)
ーー2部とも見ていて、CYNHNはすごく力強くなったなと思って。
綾瀬:(やはり大声で)そうですよね!! わかります、思いました。
ーー自分たちで手応えはつかめましたか?
百瀬:昔は1部やるだけで「できない、どうしよう!」ってヒーヒー言って泣き出す感じだったんですけど、1日で全然違うことを2部構成でできるようになるということが、すごい成長したなって思いました。
青柳:(百瀬の頭を撫でる)
ーー百瀬さんは、前以上に歌声が出るようになりましたもんね。月雲さんは手応えはありましたか?
月雲:スタッフさんたちの評価が良くて。最初は自分でそう思えていなかったけど、それを聞いて「大丈夫なんだな」って思いました。
青柳:やっぱりCYNHNは成長しているな、ってすごく感じました。初めてのイヤモニで、まだ感覚に慣れていなくて、自分的には歌とか納得いかない点もあったんですけどね。
崎乃:パフォーマンスに関しても、余裕を持ってやれるようになって、ユニットの成長を感じました。ライブ後にデビュー当時から見てくださっていたスタッフさんが「余裕出たね」と言ってくださって。そうやって実際に見てもらったら成長度合いが分かると思うので、「見てくれたらわかるのに」というもどかしさはあります。