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CYNHNの鮮烈な“青”が聴く者の胸に刺さる 1stアルバム『タブラチュア』評

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 未完成ではあるものの鮮烈な“青”が聴く者の胸に刺さってくる。CYNHNが、6月26日にリリースした1stアルバム『タブラチュア』は、そんな作品だ。

 難読漢字ならぬ難読英字であるCYNHNだが、「スウィーニー」と読む。ロシア語で「青」を意味する言葉だ。6人組ヴォーカルユニットであるCYNHNの結成のきっかけは、2016年の秋に開催された、ディアステージとJOYSOUNDによる共同オーディション。そのグランプリに輝いたのが崎乃奏音、準グランプリを受賞したのが綾瀬志希、審査員特別賞となったのが青柳透、桜坂真愛、月雲ねる、百瀬怜。この6人が、2017年6月にCYNHNを結成することを発表し、2017年11月には『FINALegend』でCDデビューを果たした。

CYNHN (スウィーニー)「FINALegend」 Music Video

 つまり、最初のCDを出してからまだ1年半強。しかし、これまでに5枚のシングルをリリースし、さらにアルバムも世に出るので、約20カ月で6枚のCDをリリースすることになる。

 そうしたリリースペースの早さの理由のひとつは、メインヴォーカル曲の存在だ。つまり、ひとりのメンバーがメインとなって歌う楽曲である。本作の収録曲では、「タキサイキア」は綾瀬志希、「So Young」は青柳透、「絶交郷愁」は崎乃奏音、「雨色ホログラム」は月雲ねる、「空気とインク」は桜坂真愛、「wire」は百瀬怜がメインヴォーカルを担当。ここ3枚のシングルは、メインヴォーカル曲を2曲ずつ収録したもので、そのたびにメンバーにはヴォーカリストとしてのプレッシャーがのしかかってきたことだろう。そして、同時に大きな成長も遂げてきた。

CYNHN(スウィーニー)「So Young」 Music Video

CYNHN(スウィーニー)「wire」Music Video

 アルバム『タブラチュア』は、そうしたシングル曲に新曲を加え、CYNHNの足跡を鮮やかに浮かびあがらせる。それは、歌に向かい合うことの軌跡だと言ってもいい。デビューシングル表題曲「FINALegend」では、百瀬怜が〈できるかな? アイドル〉と歌うパートもあり、アイドル色が濃かったが、2ndシングル曲「はりぼて」から、CYNHNは急速にヴォーカルユニットとしての色彩を濃くしていった。

CYNHN(スウィーニー)「はりぼて」Music Video

 『タブラチュア』は、新曲「ラルゴ」で幕を開ける。CYNHNのメインソングライターである渡辺翔が作詞作曲した楽曲だ。ロックサウンドに乗せてこんな歌詞が歌われる。

CYNHN(スウィーニー)「ラルゴ」Music Video

〈そう頑張って頑張って取り繕って
曖昧な弱さ隠したんだ
君は君以外に心預けるの怖くて
夢隠した〉

 CYNHNのメインソングライターとして、渡辺翔の書く歌詞は非常に重要だ。たとえば「ラルゴ」では、20歳前後であるCYNHNにとっての“居場所”を歌う。メンバーの等身大の姿、彼女たちの立つ現在地を浮きあがらせることは、渡辺翔の重要な役割なのだ。

      

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