EXILE SHOKICHI×CrazyBoy本格始動、1stシングル『KING&KING』で両者が生み出すケミストリー

 シングル『KING&KING』には、「FLY LIKE A DRAGON」をはじめ、全てがリードトラックと称すべき楽曲が収められている。

 「AFTER PARTY」は深いディレイがかけられたシンセ、まるで深海に沈むようなディープなビートを軸にしたスロウチューン。KYGOのニューアルバム『Golden Hour』にも通じるチルアウト的な雰囲気は、現在のグローバルなダンストラックの潮流とも重なっている。エキゾチックな手触りのイメージを漂わせるメロデイ、どこまでもドープなラップも気持ちいい。

 3曲目の「RAKUEN」は、ゆったりとグルーヴする裏打ちのリズム、タイトル通り“楽園”をモチーフにした退廃的・官能的なリリックが溶け合い、リスナーを音楽的な快楽へと導く。さらにバウンシーなビートと浮遊感のあるラップ、解放感に満ちたメロディが一つになった「Chasin」を収録。『KING&KING』に収められた4曲を聴けば、他のアーティストとは一線を画す、このユニットのスタイルと方向性を理解してもらえるはず。国内外のビートメイカー、トップライナーとのコライトによる楽曲を通し、EXILE SHOKICHI、CrazyBoyのクリエイター/プレイヤーとして資質がぶつかり合い、融合する。そこで生まれる刺激的な化学反応こそが、このユニットの最大の魅力なのだと思う。

 EXILE、EXILE THE SECOND、三代目 J SOUL BROTHERSの活動により、日本のエンターテインメントシーンの頂点を経験した両者。それぞれのルーツミュージック、現在のシーンに対する的確なセンス、二人のボーカルとラップが融合したEXILE SHOKICHI×CrazyBoyは今後、音楽シーンに新たな刺激を与えてくれそうだ。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる