GReeeeN「星影のエール」は、コアを新たに封じ込めた作品に CGアニメーションMVのメッセージを考察
GReeeeNの楽曲「星影のエール」の新たなMVが、8月7日に公開された。
今回の記事は、3DCGで描かれたMVを考察するという内容ではあるのだが、まずはこのMVに関わるスタッフ陣、今作を主題歌にしたNHK連続テレビ小説『エール』について触れていきたい。
CGアニメーションでの制作となっているこのMVは、「カップヌードル×ONE PIECE」コラボCM「HUNGRY DAYS」やヨルシカの楽曲「ノーチラス」でMVの制作に携わり、8月7日の同日に公開となる『映画ドラえもん のび太の新恐竜』にも制作参加したCGクリエイター森江康太氏が監督を務めている。
キャラクターデザインを担当したのは、御年83歳を迎えた小田部羊一氏だ。『アルプスの少女ハイジ』で作画監督・キャラクターデザインとして参加し、『母をたずねて三千里』『あらいぐまラスカル』などに原画・作画監督として参加。『風の谷のナウシカ』や『火垂るの墓』など、宮崎駿や高畑勲らとともに歴史的なアニメーションに携わった。のちに任天堂に入社して以降、『スーパーマリオ』シリーズ・『ゼルダの伝説』シリーズ・『ポケットモンスター』シリーズの諸作品において、公式イラスト・キャラクター監修・アートワーク・アニメーション監修などのビジュアル部分に様々に関わり、30年近くに渡って任天堂作品の『絵』を生み出し、キャラクターに息を吹き込んできた張本人だ。
そんな2人が手を組んでMVを制作するというと、アニメーションがお好きな方なら前のめりにならざるを得ないだろう。この2人の起用には、GReeeeNのリーダーHIDEが関わっているという。リーダーのHIDEはシブリ作品はじめ、日本のアニメーション作品の大ファンであり、「小田部氏にどうしてもキャラクターデザインを手掛けてほしい!」と彼が小田部氏に直接コンタクトをとり、その熱意にほだされ、小田部氏が参加することになったという。
「星影のエール」は、NHK連続テレビ小説『エール』の主題歌として起用されている。このドラマは、福島出身の作曲家の古関裕而をモデルにした作品で、東日本大震災から10年の節目を目前に「福島を応援したい」との思いを込めて企画されたドラマ作品だ。
古関裕而が作曲された作品は枚挙に暇がなく、「栄冠は君に輝く」「大阪タイガースの歌(六甲おろし)」「オリンピック・マーチ」など、オーケストラを用いた昭和の応援歌(エール)といえば、必ず氏の作品を聞くことになるほどだ。昭和を代表する作曲家の1人といっても過言ではない。
「エール」というと、「Yell」であり、応援するということ、支えるということである。森江康太、小田部羊一、古関裕而、GReeeeN。彼らは制作している分野も活躍した時代も、どのように作品を届けていくか? という方法も、その影響力はさまざまに違う4組ではあるが、彼らの活動や作品に共通するのは「自身の作品を通し、見るものを支え、応援しよう」という点ではないだろうか。ここまで列挙してきた作品は、日本を代表する作品や楽曲ばかり、そういった作品に影響をされ、自身を鼓舞してきたかたは多いのではないだろうか。