森朋之の「本日、フラゲ日!」vol.211
GLAY、MY FIRST STORY……強いメッセージ性、確固たる意思を感じさせるバンド作品 新譜よりピックアップ
メンバー4人それぞれが作曲した楽曲を収めたGLAYのニューシングル『G4・2020』、ポップ濃度を高め、驚くほどの変化を表わしたMY FIRST STORYのニューアルバム『V』。強いメッセージ性、確固たる意思を感じさせるバンドの新作を紹介します。
4人のメンバーそれぞれが作曲した楽曲をコンパイルした“G4シリーズ”第6弾となるニューシングル『G4・2020』。ド派手なオーケストラ、研ぎ澄まされたギターサウンド、遊び心に溢れた構成が一つになったブッ飛びまくりのロックポップチューン「ROCK ACADEMIA」(作詞・作曲:HISASHI)、冒頭からトップスピードで走り出し、シンプルかつエッジーなバンドサウンドを叩きつけるオルタナティブ&パンキッシュな「DOPE」(作詞:TAKURO&JIRO/作曲:JIRO)。TVアニメ『ダイヤのA actⅡ』のオープニングテーマとして書き下ろされた「流星のHowl」(作詞:TAKURO/作曲:TERU)では、デジタルロックサウンドとともに〈全てを出し尽せ/やらずに後悔するのなら〉と鼓舞し、SUBARUレヴォーグ CMタイアップソングとしておなじみの「Into the Wild」リミックスバージョン「Into the Wild ~密~」 (作詞・作曲:TAKURO)では、美しいエキゾチズムと現代社会への批評性を感じさせる歌詞を表現。異なる個性とセンスを持った4人の集合体こそがGLAYであるという根源的なメッセージを改めて示す作品だ。
シングル曲「無告」「1,000,000 TIMES」、JESSEをフィーチャーしたミクスチャーロック「アンダードッグ feat.JESSE(The BONEZ / RIZE)」を含むニューアルバム『V』でMY FIRST STORYは大きな変貌を遂げた。アコースティックギターと打ち込みのトラックを軸にしたメロウナンバー「plastic」、ソウルフルなグルーヴ、EDM的な音像を取り入れた「Starting Over」、軽快なピアノとハンドクラップから始まり、朗らかな歌と浮遊感のあるサウンドが絡み合う「証」。端的に言うとポップの度合いが大きく増しているのだ。ヘビィロック直系の音楽性を追求してきた彼らはおそらく、“自分たちが鳴らすべき音楽とは何か?”というテーマと深く向き合い、バンドの在り方を一から定義し直したのではないか。このアルバムには、多くのトライ&エラーの果てに辿り着いた、マイファスの新たなアイデンティティが息づいている。