『サイコだけど大丈夫』『賢い医師生活』…OSTと合わせて今夏楽しみたい 第4次韓流ブームはドラマとK-POPの融合型に?
歌える役者を揃えた劇中バンド・99’sが歌う懐かしのK-POP
さらに劇中では主要キャラクター5人が組むバンド・99’sが実際に演奏しているのも見どころ。紅一点のヒロイン・ソンファは音痴という設定だが、演じるチョン・ミドはミュージカル界のスター女優だ。メインキャストのチョ・ジョンソク、ユ・ヨンソクは共に韓国版『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のヘドウィグ役であり、チョン・ギョンホも含め「歌える役者」が勢揃いしている。韓国ミュージカルファンも唸るキャスティングなのだ。
ここで劇中のキーポイントとなる名曲を紹介しよう。
『愛の不時着』ユン・セリを演じたソン・イェジンの代表作で、2003年公開の映画『ラブストーリー』のテーマとしても知られている。どこか懐かしい1970年代フォークソングを思わせる曲だ。OSTではチョン・ミドが本来の歌唱力を発揮している。
1997年に発売された、ロックバンド・プファル(復活)の曲。劇中では1話で“音痴”なソンファが歌っているため、OSTに収録されているクォン・ジナver.をご紹介したい。伸びやかで透明感ある声にふっと癒されるはずだ。
主演のチョ・ジョンソクが歌うのは2001年にCOOLが発表した「Aloha」。COOLは男女混成グループとしてアルバム売上トップを記録した、“韓国のドリカム(DREAMS COME TRUE)”的なグループだ。劇中では飄々とした天才医師イクジュン(チョ・ジョンソク)の本音がチラリ垣間見える、意味深ソングになっている。なお韓国の音楽配信サイトではチョ・ジョンソクの「Aloha」がチャート1位に輝いた。
8話の終わりに「99’s」が演奏する1996年のヒット曲だ。原曲を歌うソ・ジウォンは1990年代に活躍するも若くして他界、日本でいう尾崎豊のような存在であろう。MAMAMOO・フィインのカバーver.と劇中のバンド演奏ver.と聴き比べてみるのもオススメだ。
『賢い医師生活』をきっかけに韓国の懐メロに興味が出たら、同じ監督と脚本家が手掛けた『応答せよ1997』『応答せよ1994』、そして『恋のスケッチ~応答せよ1988』にも手を伸ばしてみてほしい。絶妙なセンスのOSTはもちろん、ヤキモキとキュンが止まらない男女間の友情と恋、思わず涙腺崩壊の感動シーンは全作共通の“お約束”だ。
ラブストーリー派は『サイコだけど大丈夫』、ヒューマンドラマ派には『賢い医師生活』。どちらも練り上げられたストーリーとこだわりの音楽を共に楽しめる作品となっている。海外旅行やフェスもおあずけな今年の夏、お家で楽しむ“韓国ドラマリスト”にぜひ追加していただきたい。
■K-POPゆりこ
エンタメ企業で働く会社員ライター。広告会社でメディア編集を経験した後、1年半のソウル生活。
学生時代に映画『猟奇的な彼女』とK-POPにハマって以降、韓国芸能ウォッチャー歴16年。
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