『IDOL舞SHOW』X−UCのフレッシュな魅力 個性豊かなメンバーが躍動した、初の無観客配信ライブを振り返る

『IDOL舞SHOW』X-UC無観客配信ライブレポ

 X−UCが7月12日、生配信イベント『ぱぴえましえ、X-UCです! 無礼講でGo! Party Night』を開催した。

X−UC

 X−UCは、『IDOL舞SHOW』より誕生した10名組声優アイドルユニット。彼女たちは、今年春に2ndシングル『Papier Mache IDOL』発売とライブイベント開催を予定していたが、どちらも昨今の情勢を踏まえて延期に。今回の生配信イベントは、同シングルの発売日が10月7日に決定したことを受けて、メンバー全員が揃う初のステージとして実現された。

 リハーサル時のインタビューでは、石飛恵里花(清見みさ緒役)が「画面の向こう側にも、10人の楽しさとかワチャワチャ感が伝わったら良いなと思います」と意気込みを語っていたが、その言葉に違うことなく、当日はメンバー全員が奔放なまでに豊かな個性を発揮すると同時に、アイドルとしての“訴え”を歌ったという楽曲などで、力強いパフォーマンスを披露してくれた(参考:『IDOL舞SHOW』諏訪ななか・豊田萌絵ら擁するX−UCに聞く、総勢10人で魅せるパフォーマンスの魅力と初無観客ライブへの思い)。

 イベント前半のプログラムは、鷲崎健を司会に迎えたトークコーナー。そのハイライトは様々ながら、全体を通して特に目立ったのが、リーダーを務める豊田萌絵(星月小春役)と、石飛の先輩メンバー2名によるユニットへの献身ぶりである。というのも、数多のラジオや声優バラエティ番組に出演する鷲崎でも、X−UCの顔ぶれを見てピンときたのは約半数だったとのこと。それもそのはず、彼女たちのほとんどは10代の新人声優で、『IDOL舞SHOW』がデビュー作というメンバーもいるくらいだ。

 そんな伸び代満載な面々の魅力を、鷲崎と視聴者に対して次々に伝えようとしてだろう。20代の自分たちが楽屋で“お姉さん組”と呼ばれているというエピソードなどを披露しながら、メンバー全員のキャラクターを把握する豊田が、その時々の適任に話を振るという“裏の回し役”としての細かな気配りを見せたほか、石飛もまた、時に体当たりな姿勢とトークで笑いをさらっていく。大人数ユニットは全員に話を回すことが課題になりがちだが、2人それぞれのトーク術によって、メンバー全員が織りなす華やかさやフレッシュぶりをスタジオに充満させてくれていたのには、ただただ脱帽せざるを得なかった。

 実際に、豊田はシングル表題曲「Papier Mache IDOL」の紹介を挙手性で求められた際にも、「これ全員手を上げる流れだよ!」とナイスアシスト。ここでは、長谷川玲奈(掛川こころ役)が指名を受けて、「かわいい女の子たちが、ネットなどについての“訴え”をしている曲」と解説。続けて、「いつも高いキーで歌っているんですけど、この楽曲は“闇を見せていいよ”ってディレクションをいただきまして」と、自身演じるキャラクターらしからぬ、真に迫った歌声を求められたとも振り返ってくれた。

 またサウンド面では、花谷麻妃(猿野さくら役)が「疾走感が溢れていて、言葉がどんどん出てくるかっこいい曲」とコメント。“はりぼてのアイドル”をタイトルに掲げた「Papier Mache IDOL」は、SNSが席巻する現代社会に抗いながら、本当の自分を表現するべく勇敢な一歩を踏み出そうと歌う楽曲だが、〈綺麗に見せるのが当然の行い 脆く薄いスマート世代〉といった歌詞も、迫力のあるハイテンポなトラックにのせて、本心を吐露するように早口で歌い上げるからこそ、その説得力も一層に増して聞こえてくる。

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