ジェジュン、『Love Covers Ⅱ』はエモーショナルな歌を堪能できる作品に 前作にも通ずるカバー曲へのリスペクトも

 筆者がこのアルバムの選曲を見てどのように仕上がるのか一番気になっていたのが、上田正樹の「悲しい色やね」だ。この曲はかなり原曲のカラーが強い曲だからだ。大阪の海を前に別れを決めた女性の姿が描かれており、最初から最後まで女性言葉の関西弁で構成されている。リリースされてから最初に聴いてみたが、原曲のカラーを残しながらも、ジェジュンの声で歌われると、悲しみをさらに増して感じられるような気がした。“ジェジュン色”に染め上げていたが、それは歌詞をしっかり理解した上で歌っているからだろう。

Making of Love Covers ⅡーRecordingー(short ver.)/ジェジュン(J-JUN 김재중)

 「今回歌わせて頂いた楽曲のほとんどはライブでも歌ったことのない曲ばかりでしたが、自分なりにそれぞれの曲にあわせた感情を込めてレコーディングしました。良いアルバムになったと思いますので、是非皆様に聴いて頂きたいです」とリリース前にコメントしていたが、その言葉通り、他の楽曲もしっかり“ジェジュン色”に仕上げており、7曲全てに彼の曲に対する思いを感じることができる。この楽曲たちが多くの人たちの前で披露される日が来ることが待ち遠しい。

売り上げの一部は医療従事者に向けてのチャリティーへ

 今回リリースされた『Love Covers Ⅱ』の売り上げの一部は、医療従事者に寄付されるという。コロナ禍で世界が混沌とする中で仕上げてくれたジェジュンの日本楽曲のカバーアルバムには、彼の「音楽が今何ができるのか」という思いがこめられている。全編日本語で歌われた曲たちに救われる気持ちになる人もいるかもしれない。

 8月1日深夜からは、コロナ禍で再び人前で歌えるまでの軌跡を描いた自身初のシットコム『僕は歌が歌いたい〜ジェジュン、ライブ復活までのお話』もスタート。観客を入れたコンサートもままならない中だが、いつかジェジュンがカバーするこの楽曲たちを、生歌を、コンサートで聴きたい! そう強く感じさせるアルバムだった。

■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等

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