寺嶋由芙に聞く、ディアステージ卒業とソロアイドルとしてのこれから「びっくりさせるけど、がっかりさせないことが大事」

寺嶋由芙、ディアステ卒業の背景

“楽しくてかわいいアイドル”をずっと続けていく人になりたい

ーー最近は新型コロナウイルスの影響で、ファンに直接会えなくなったり、ライブ活動も制限されていたりしますが、気持ちの変化はありましたか?

寺嶋:こんなに長い期間オタクに会っていないのが、この10年くらいで初めてなので、まだ慣れないですね。元気かな、っていつも考えています。特典会とかで、画面越しに会えたりはするんですけど、生でたくさん会いに来てくれていたのはすごくありがたいことだったんだ、と改めて思っていますね。今まで現場で会っていたのは、オタクをやっている時のみんな。でも、オンラインになったことで、家にいる時や職場にいる時、家族といる時のみんなを、少しだけど見ることができて、一人ひとりに人生があって、やるべきことがあって、時間も限られている中で、私に時間を割いてくれているんだなと改めて見えた期間でした。ただ、「会えないからもう忘れられてしまうんじゃないかな」というのは、あまり心配していないです。

ーーちょっと会えないくらいでは離れていかないような関係だと。

寺嶋:そうだといいなと、ちょっと圧を込めて思っているんですけど(笑)。それぞれ仕事とか、家族のこともあるから、例えば今、「私がライブをやります」と言っても、自分の都合だけですぐ「行くよ」と言える人ばかりじゃないと思うんです。それは、みんなそれぞれの人生を頑張っているからであって、むしろそんな中でリプとかくれてありがとう! という感じです。

ーーしばらくはライブ活動の制限も続きそうですが、そんな中でやってみたいことはありますか。

寺嶋:この間の生誕ライブは浅草の雷5656会館で開催したんですが、そこが本当は春のツアーで行くはずだった会場だったんですよ。それが中止になっちゃって、生誕ライブで何とかリベンジして、キャパの3分の1以下のお客さんを入れてやったんですけど。だから落ち着いたらその会場を満員にして、ここでまた再会できましたね、というところから始めたいなと思っています。

ーー実際に配信ライブをやってみて、難しかったことはありますか?

寺嶋:MCの反応が返ってこないじゃないですか。グループだったら他のメンバーが相槌を打ってくれたりするけど、ソロだとそれがないから難しいですよね。それに、私のオタクはとっても真面目なので、数十人来てくれていたお客さんも、本当に一言も発さずに、マスクもして、拍手ですべての意思疎通をしているような感じで(笑)。だから、いつもだったら、笑い声や反応が返ってくるのに、無音の中でやるのは自分の気持ちを作るのがすごく大変でした。でも、数十人でも入ってくれると全然違うし、すごく嬉しくて。そうやって徐々に人数が増えていくことが今後は喜びになっていくはずで。元に戻っていく過程を共有しながら、一緒に頑張ったねって、いつか振り返れるようにやっていくしかないのかなと思っています。

 シーン全体で言うと、もうちょっと解散とか、事務所がなくなっちゃうとかあるかなと思っていたんですけど、それぞれ踏ん張って、いろいろなやり方で工夫していますよね。あのグループがこういうことをやっていたから、うちもやってみようとか、お互い情報交換をしたり、切磋琢磨というのもちょっと違うかもしれませんが、それぞれ創意工夫していると思うので、みんなで知恵を出し合って乗り切りたいなと思います。

ーー先日アップされた持続化給付金を説明した動画は、寺嶋さんが編集まで担当したんですよね。すごく勉強になりました。

【アイドルの皆さまへ】「事業持続化給付金」についてのご説明

寺嶋:実際にあの動画を見て、「給付金申請できました」「わからないところがあるから教えて欲しい」といった連絡がアイドルの子からきたこともありました。コロナって、自分たちのせいじゃないから、道を絶たれる人がなるべくいないといいなと思っているので。持続化給付金など、今後活動を続けていくために使える制度とか、モチベーションも含めて、後輩たちに教える、と言ったら偉そうですけど、気づかせてあげられるようなことをやっていきたいなと思っています。

ーーそれは、キャリアを重ねて考え方が変わってきたというのもあるんでしょうか。

寺嶋:私はソロなので、直接の後輩というのがいないんですよ。でもフェスで知り合った子や、それこそディアステージで一緒にやっていた子とか、自分より後にアイドルになった子、年下で頑張っている子が増えてきたから、そういう子たちが今後も安全に、楽しくアイドルをやれるといいなと思っていて。私がアイドルになったばかりの時って、本当に“何でもあり”だったけど、時代も変わってきているので、間違っていたことは直しながら、後に続くアイドルたちが生きやすいように、道を均していく人になれたらいいなと思います。もちろん、インディーズからメジャーに行って、お茶の間に進出して……みたいな道づくりもしたいんですけど、それとはまた別軸で、「困ったときにこうすればいいんだ」という1つのロールモデルになったらみんなの役に立てるのかな、と。理不尽で道を絶たれてしまう子がいないといいですし、自分もそれに負けずに頑張らなきゃいけないなと思います。でも、本当はそんなことを心配せずに活動できるのが1番良いですよね。不安になったときに、ちょっと年上の人に相談できたら気が楽じゃないですか。私も周りのスタッフに相談しながらやっているので。そういう人になれるように勉強しようと思っています。

ーー今は以前と比べて、アイドルの寿命が伸びてきていると思うんですけど、その中でどういう存在になっていきたいですか?

寺嶋:みんなが思っているアイドルのまま、長く続けられるといいなと。革命児みたいに、私がアイドルの形を変えて、長くやれるようにするというよりは、自分が目指していた、“楽しくてかわいいアイドル”をずっと続けていく人になりたいです。無理せず続ける、というか。長く続けているうちに、いつの間にか大きくなれたというのが良いんじゃないかなと思うので。続けている人に元気をもらう時ってあるじゃないですか。長く活躍しているアイドルを見て、一緒に年を取っていったファンが、自分も頑張ろうと思える存在になっていけるといいなと思っています。

ーーなるほど。しばらくは、楽しく続けていきたいという感じですかね。

寺嶋:そうですね。本当だったらツアーをやって、ディアステージ卒業や、今後もアイドルを頑張るという気持ちを直接伝えたかったのが、全部おじゃんになってしまっているので、とっても困っていますけど、こんなに時間があったことが、この7年で初めてで。クイズの勉強をして、クイズ番組に出られるように頑張るとか、歌が上手くなれるように、今のうちにボイトレをしっかりしておいたり、動画を撮ったりしながら、焦らずに今を乗り切るしかないなと思っています。

ーー改めて、ディアステージを卒業して一旦フリーになるということで、これからソロアイドルとして、どんな挑戦をしていきたいですか?

寺嶋:歌やダンスをもっと磨いて、世間の人に見聞きしてもらう機会を増やしたいのが一番で。自分で言うのも何ですが、私はすごく良い曲をいっぱいもらってると思うんです。だけど、それがまだ届いていない悔しさがあるので、作家さんたちに恩返しする意味でもそうだし、曲を聴いてもらえる機会を増やせるように、自分がどんどん表に出ていきたい。歌はもちろん、クイズだったり、ゆるキャラだったり、今までやってきたことをもっとこの期間に磨いて、もうちょっとキャッチーになりたいな、と思います。こうやってお話を聞いていただくと、こういうことを考えている子なんだ、と伝わるんですけど、「バク転できます!」みたいな見て分かる特技ではないので(笑)。1個1個を磨いて、たくさんの人に刺さるようにしていこうと思っています。

寺嶋由芙公式サイト

【オリジナル動画】ディアステ卒業!ゆっふぃーこと寺嶋由芙の“今後の抱負”は?

【オリジナル動画】ディアステ卒業!ゆっふぃーこと寺嶋由芙の“今後の抱負”は?

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<締切:8月16日(日)>

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