山下智久、ドラマ『THE HEAD』EDテーマがチャート首位 内面性が露わになった知的でクールな1曲に

 しかし、その路線から大きく舵を切ったのが前述したSME Recordsへの移籍である。その頃からサウンドも世界を意識したものへと変化し、英詞が増え、それまでのイメージから“知的”で”クール”なアーティスト像へと一変。今回の新曲も、肉体に訴えかけるようなフィジカルなものではなく、どこか精神世界を彷徨っているような独特の抽象表現に寄っている。

 考えてみれば、彼の人柄は(実際のところを知っているわけではないが)物静かで冷静で、英語も堪能だと言うし、むしろここ最近の楽曲の方が彼本来の姿に近いのではないか。以前出演していた『another sky-アナザースカイ-』(日本テレビ系)での姿は非常に自由闊達で、表情も生き生きとしてる印象を受けた。

 世間の求めるアイドル像と、本来の自分の姿……その間のギャップで揺らぐ彼の活動に魅力を感じたとき、この曲で歌われる〈真実の愛か、こんな世界か〉の一節が、妙に深みを帯びてくるのだ。

■荻原梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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