AIが『IT’S ALL ME -Vol.1』を通して感じた“自分” ブレない姿勢、音楽と平和への思いを語る

AIが『IT’S ALL ME -Vol.1』を通して感じた“自分” ブレない姿勢、音楽と平和への思いを語る

 AIが、7月8日に20周年記念ミニアルバムシリーズ第1弾となる『IT’S ALL ME -Vol.1』をリリースした。本作は、「ギフト」(TBS系『王様のブランチ』テーマソング)や「僕らを待つ場所」(映画『AI崩壊』主題歌)などのタイアップ曲や海外アーティストをフィーチャリングに迎えた楽曲を6曲収録。AIが“今の自分自身”のすべてを表現した内容となっている。

 今回、自粛要請が解除された6月下旬、AIにリモートでインタビューを行った。2019年、デビュー20周年イヤーに突入したばかりのインタビュー(AIが語る、ゴスペルが与える“感動”と出会ってきた人への“感謝”)の際、「私の歌で平和な気持ちになってほしい」と話していたAI。2020年、世界中で様々な問題が起こっている今、彼女はどんな思いを抱いているのか。インタビューに臨む前、筆者は少し緊張感を持っていたが、いざ取材が始まると画面越しで明るく話すその姿に一瞬で心が和らいでいった。自分自身について「全然変わらないなと思いました」と笑うAIの芯の強さとブレない姿勢、真摯な歌への思いが改めて伝わってくるインタビューだった。(編集部)

リモートでの歌唱「『やばい、泣いてしまいそう』と思いながら歌いました」

ーー昨年は、20周年イヤーとしてベストアルバム『感謝!!!!! -Thank you for 20 years NEW & BEST-』をリリース、また、『AI 20周年記念プレミアムライブ with ゴスペル聖歌隊』を行い、自身のルーツであるゴスペルと向き合った1年になったと思います。2019年を振り返ってみていかがですか?

AI:自分と音楽との出会いや経験を見つめ直した1年だったと思います。あとは、やっぱり改めていろんな人との出会いの大切さを実感しました。ゴスペルのライブもたくさんの素晴らしいクワイヤの方々に出演してもらって、みんなの気持ちと声が重なった時に、一つひとつの出会いが音楽を作っていく楽しさや感動を思い出しましたね。それに、この20年間でたくさんの人とフィーチャリングさせてもらって、海外だとチャカ・カーンさんやスヌープ・ドッグさん、ジュディス・ヒルさん、トレイ・ソングスさん……日本のアーティストでも、EXILE ATSUSHIくんや安室奈美恵さんをはじめ、素晴らしいアーティストの皆さんとの出会いが自分を成長させてくれたんだなとも思い返しましたね。

 『AI 20周年記念プレミアムライブ with ゴスペル聖歌隊』は、まず実現できたこともすごいし、自分の曲をアレンジしてみんなの前で演奏できたことも私自身とても感動しました。あとはやっぱり、自分がLAにいた時に、ゴスペルクワイヤに入っていた経験がなければゴスペル聖歌隊とのライブもできていなかったと思うし、学生時代に経験したことを今自分の仕事の一つとしてできたこと、それと日本の皆さんにゴスペルの素晴らしさが少しでも伝わったと思うので、本当に嬉しかったですね。

ーー今は自粛要請が解除されていますが、新型コロナウイルスの影響でステイホームが呼びかけられてから本当に人と会えない生活が続きましたね。AIさんはどんな風に過ごされていましたか。

AI:うちは子どもが2人いるんですが、ただでさえママなのにいつも仕事でいないから、家にいる時は子どもに100%向き合いたいと思っていて。下の子が生まれてからは家のことが全然できていなかったので、家でやらなきゃいけないことがすごーく溜まっていて、めちゃくちゃ忙しかった(笑)。今、上の子が4歳なのですが、言っていることが理解できるようになってきたり、そういう成長を側で見ていられたので、ポジティブに言えばステイホームをきっかけにあらためて子どもと過ごすいい時間になりました。

ーーお子さんとの時間を大切にする一方、『One World: Together At Home』の配信をはじめ、『CDTVライブ!ライブ!』(TBS系)や『スッキリ』(日本テレビ系)でリモートライブを披露したり、「#ハピネスバトン」が話題になったりと、SNSやテレビを通してご自宅から音楽を発信されています。会えない状況でのパフォーマンスを通してリスナーとのつながりを感じた部分はありますか。

AI:あります。むしろ、普段よりも「こんなに見てくれていたんだ」「こういうことを思ってくれたんだ」と見てくれた人の気持ちをダイレクトに感じられるような場面もたくさんありました。たとえば、インスタライブの『One World: Together At Home』でもコメントをたくさん見ました。皆さんのメッセージを読みながら、離れているけどしっかり繋がっているという感じもしたし、普段のライブでは、みんなの顔は見えるけど、どう思っているのかはリアルタイムでは分からないこともあるので、これはこれで素晴らしいなと思いました。

ーーテレビの歌唱では、ファンの方とリモートを通して一緒の画面で歌っていましたね。

AI:本当に感動しました。最初見た時に「やばい、泣いてしまいそう」と思いながら歌いました。その画面の中で、いつもライブに来てくれてる人が参加してくれているのを見つけたりもして、すごくうれしかったです。

多くの人の共感を呼ぶ「ギフト」、AIが思い描いた娘とのストーリー

ーー今回リリースする『IT’S ALL ME – Vol.1』ですが、1曲目の「ギフト」(TBS『王様のブランチ』テーマソング)はAIさんにとってはどういう曲になりましたか。

AI「ギフト #stayhome ver.」

AI:もともとは『王様のブランチ』のテーマソングということで、テレビを見ている人が元気になれたり、心がポジティブになれるメッセージにしたいと思っていて。それと、裏テーマというか私のストーリーとしては、自分の娘が結婚して自分の手から離れる時の想像をしながら書きました。〈あなたにとって 大切な人だったら/私にとっても 大切な人だから〉という歌詞は、寂しさもあるかもしれないけど、「彼女が選んだ相手だったらしょうがないね」という感覚で作りました。そういう大切な人を思う気持ちって、いろんな人に当てはまるし、結婚式って一番気持ちも晴れやかでハッピーだから、そんな想像をしたりして。

ーーそうだったんですね! この曲の歌詞は大切な人を思うどんな人にも通じるし、「ギフト #stayhome ver.」がYouTubeで公開されて、新型コロナウイルスの影響で外出自粛していた人たちも元気付けられた方が多いと思います。

AI:ステイホームの時期に作っていたわけではないのですが、この曲は本当になるべくいろんな人にフィットするようにという思いを込めて書いています。私が想像したのは子どものことだけど、たとえば喧嘩して離れたカップルや、結婚して長年連れ添っているおじいちゃんとおばあちゃん、離れて過ごしている家族や友達同士など、たくさんの人に共感してもらえると思います。曲のタイトルはいつも最後に決めるんですが、「わかりやすくて、一言で言えるのがいいよね」とみんなで悩んでいたら、マネージャーが「『ギフト』はどう?」って言ってくれて、すごくいいタイトルだなと思って決めました。

ーー「ギフト」のミュージックビデオも公開されました。

AI:はい! 自粛要請の解除後にやっと撮影できました。「ギフト」は、“私たちはつながっている”というのが一番のメッセージなので、本当にどんな場面でも合う曲になったし、撮影時もみんなソーシャルディスタンスや安全面に配慮しながら、その中でもいろいろアイデアを絞ってすごくいいMVができたのでぜひ観てほしいです。

AI – 「ギフト」Music Video

ーーフィーチャリングゲストを迎えた「Kokoro feat. Jenn Morel, Joelii」「You Never Know feat. MJ116」に加え、「Summer Magic」「GOOD AS GOLD」など海外アーティストとのコライト楽曲も多く収録されています。

AI – 「Summer Magic (Japanese Version)」Music Video

AI:このアルバムの制作がスタートした頃はまだコロナ禍以前でしたので、オリンピックが開催されたら、世界中からいろんな国の人たちが日本に来るだろうから、海外の人たちに日本のいい部分を見てもらえるチャンスだと思っていました。なので自分の作品も、海外のアーティストと作り上げることで、音楽の楽しさが溢れるような音にしたかったんです。それに、もともと自分がいろんな国の人と一緒に曲を作ることが多いから、音楽は言葉や国の壁を超えて仲良くなれるものだし、世界中や国同士ではいろんなことがあるかもしれないけれど、私たちは音楽でつながっているということも伝えたかった。「You Never Know」でコラボしたMJ116さんともそういう風に話していて、彼らはすごくいい人たちだったし、お互いのカルチャーを尊重し合いながら一緒に制作ができて本当に良かったです。

AI – 「You Never Know feat. MJ116」Music Video

 「Kokoro feat. Jenn Morel, Joelii」に参加してもらったジェン・モレルとジョエリは兄妹です。彼女たちはラテン系のアーティストなんですが、イタリアやヨーロッパでとても人気があるんです。初めて会った時にものすごくエネルギーを感じて、制作の時も「スパニッシュで歌おう!」と提案してくれました。曲の内容は「Kokoro」も「You Never Know」も、「言葉なんか関係ない」「私たちはみんな同じ人間で、心が通じ合えばいいんだ」というのをテーマに歌っているので、作品を通しても強いメッセージになったと思います。

ーーコライトで自分以外のアーティストから受ける刺激も多いですか?

AI:そうですね。毎回ほんとに刺激的で、自分だけの時とはまた違ったメッセージやメロディが出てきたりして、発見や勉強になります。

ーー今作を締めくくる「僕らを待つ場所」は映画『AI崩壊』の主題歌でしたが、映画の物語と対比的な温かさが印象的な楽曲です。機械のAIが発達している現代社会において、AIさんが「こんな時に人工知能のAIがあれば」と思うこと、反対に「絶対にAI(人工知能)には譲れない」ことは何ですか?

AI:AIさん(人工知能)にやって欲しいことはいっぱいあります。掃除、洗濯……家事を頼りたい! だけど、絶対に譲れないのは自分の歌声かな。生のライブや歌声は、人工知能のAIさんには負けたくないですね。あとは、歌詞を書くのもやっぱり自分たちの経験や気持ちに乗せて発信していきたいので、人工知能のAIさんには譲れません(笑)。

AI – 「僕らを待つ場所」Music Video

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