ZOCメンバー徹底分析:西井万理那
ZOC 西井万理那、グループにとって閃光のような存在に 「今の時間」を謳歌しながら歩を進めるアイドル道
アイドルは太陽である。清純派だって、病みかわいい系だって、みんな誰かの太陽になっている。陳腐な表現だが、これは実際にアイドルを応援したりファンの情動を観察したりしているうちに実際に思ったことだ。山口百恵など、陰のあるアイドルはかつて存在したものの、太陽のようでなければアイドルにはなれないといううんざりするような固定観念が打ち破られ始めたのはごくごく最近のことだろう。そしてその一助となっているのがZOCというグループである。と言っても、ZOCはあくまで孤独を孤立させないというスタンスのグループであり、メンバーのパーソナリティに対する間口こそ広いが、太陽側へのカウンターのみを狙っているというわけではない。それを証明しているのがZOCきっての「陽キャ」であるところの西井万理那だ。
彼女の輝きはキラキラしているなんてなまやさしいものではない。ギラついているのとも違う。まるで閃光のように無分別に辺りを照らして、罪も過去もなにもかもあたたかい土の上に焼き付けてしまう。無邪気な無分別はどこまでも枝を伸ばし、豊かな葉を私たちに差し伸べる。そのみずみずしさにふれた時、世界を拒絶する気がすっと薄れていくのを感じるのだ。目をつむれば瞼を透ける閃光は心地よくて、そこでずっと光っていてほしいと願ってしまう。「今が続けばいい」という西井の言葉は、そんな願いをあてもなく、けれどもしっかりと握り返してくれているようで、ひとり青白い画面を見つめる夜も安心して眠りにつくことができる。彼女には人を湧き立たせると同時に、安堵させる力も備わっているのだと思う。それはきっと、一度夢の断絶を経験しているゆえなのではないか。