スカイピース、楽曲に見る彼ら自身の“物語” 主題歌務める『七つの大罪』との親和性を考察

スカイピースと『七つの大罪』の親和性

 人気YouTuberとして活動する傍ら、アーティストとして昨年メジャーデビューも果たした、☆イニ☆(じん)とテオくんによるユニット・スカイピース。これまで、彼らのシングルリリースは配信のみだったが、アニメ『七つの大罪 戒めの復活』(MBS/TBS系)のオープニングテーマを収録した1stシングル『雨が降るから虹が出る』が、5月23日に発売された。

 若い女性を中心に絶大な支持を誇る“カリスマ”的な印象が強いスカイピースだが、☆イニ☆はもともと、専門学校卒業後は就職するつもりだったという。すでに内定も決まっていた彼をテオくんが口説き落として、スカイピースが結成されたのだ。それだけでもかなり驚きだが、その後の展開もまさにシンデレラストーリー。YouTubeのチャンネル開設から2年弱となる現在のチャンネル登録者数は160万人以上、動画の総再生回数は7億回にのぼるなど、まだまだその勢いを伸ばし続けている。

 ネット投稿をきっかけにデビューへと至ったアーティストはもはや珍しくはないとはいえ、その多くは楽曲投稿が主だっただろう。音楽に特化したニコニコ動画のボカロPや音楽系YouTuberとは違い、スカイピースは「○○で1万円使えるまで帰れま10」といった企画動画も多数アップしている。それもあって、彼らのメジャーデビューには、多くの人が驚かされたのではないだろうか。

 そうした企画動画の存在は、YouTuberとしてのみならず、アーティストとしてのスカイピースの人気をも大きく支えているように感じられる。というのも、企画動画で彼らの人柄や関係性が浮き彫りになることで、アーティスト活動や楽曲のストーリー性、メッセージ性が増すためだ。

 今回のシングルに収録されている楽曲の作詞は、すべてスカイピースが担当している。なかでも、アニメタイアップとなった「雨が降るから虹が出る」の歌詞は、とてもドラマチックで引き込まれる内容だ。タイトル通り、Aメロでは暗い過去を“雨”にたとえて描き、サビでは前向きに歩み出すさまを歌っている。オープニング映像の劇的な演出も相まって、オープニング単独でひとつの物語が成立しているように感じられるほどだ。

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