「TWICE: Seize the Light」Ep 5.
TWICEのコンサートを特別なものにする、アーティストとしての情熱 ドキュメンタリーで見えたワールドツアーの舞台裏
「2019年は(グループにとって)大きなターニングポイントとなりました」
YouTubeで公開中のTWICEドキュメンタリー「TWICE: Seize the Light」制作発表会でリーダーのジヒョはこう語っていたが、昨年行われたワールドツアー『TWICE WORLD TOUR 2019‘TWICELIGHTS’』はグループにとって新境地を拓く挑戦となったと言えるだろう。
「息が切れても止まれない理由」と題されたEp 5.では、本ツアー初日となったソウル公演までの舞台裏が捉えられている。
「みんなに(パフォーマンスを)見せたいけれど、ミスをすることは絶対に嫌でした」と話すのはナヨン。より良いステージ作りを追求する彼女たちにとって、公演までの準備期間は一日も無駄には出来ないあまりにも貴重な時間だ。ツアーに向けたレッスン中、振り付けを確認する9人の顔には、その切実さが肌で感じられるような真剣な表情が浮かぶ。
しかし練習室で入念に作り上げられたパフォーマンスはあくまで基本型にすぎない。「公演内容は国ごとに違うんです」とサナが話すように、韓国はもちろん日本、フィリピン、タイ、シンガポール、マレーシア、アメリカ、メキシコと世界の様々な地域を廻るワールドツアーでは国によって大きく異なる会場の規模感、また各国で待ち受けるファンの期待に合わせたステージングが求められるのだ。
「フォーメーションも振り付けも大きく変えました。“静止”から“移動”に変わった部分もあります(ダヒョン)」
ツアー初日を控えるリハーサルシーンには、現場に到着してから本番までの短いリハーサル時間で多くの変更点を思案し、それらを消化する臨機応変な対応をとりながら準備に励むメンバーの姿があった。
ここで頭をよぎったのは『TWICELIGHTS』で披露された「Heart Shaker」のパフォーマンスである。もともと爽やかでキュートなナンバーとして知られていたこの「Heart Shaker」だが、本ツアーでは真っ赤な衣装を着たメンバーが挑発的に歌い踊り、ファンに驚きと熱狂を与えた。
また、「Heart Shaker」以外にもステッキを使いミュージカル風にアレンジした『I WANT YOU BACK(The Jackson 5カバー)』など、多くの人気曲にオリジナルとは異なる振り付けや演出が施され、既存のイメージを大きく更新させた。
この試みについてジョンヨンが語った「新しいパフォーマンスを見せたかったから、念入りに準備しました。そうしたらメンバー皆の欲が出てきたんです。やりたいことを提案し合ってすり合わせてたらとても大変でした」という言葉からは、ミスのない完璧なステージを目指すだけでなく、観客をさらに楽しませるための工夫に余念のない姿勢が伝わった。