三浦大知、画面越しからも伝わるライブへの精神性 “一期一会”を重要視した「1songhomelive」を考える

 過去に三浦大知はその“三浦大知っぽさ”に関して、インタビューで「音から動きが見えるもの」と定義し、「曲を聴いたときにダンスがイメージできる、そういう音楽が三浦大知らしい」と語っている。残念ながら「1songhomelive」では自宅からのパフォーマンスという性質上、実際のライブのように三浦大知の魅力のひとつであるショーマンシップ溢れるダンスを画面越しに観ることは叶わない。しかし、披露される楽曲からは十分、もうひとつの彼の魅力である圧倒的な歌唱力を感じ取れることに加え、歌にあわせて身体を揺らす姿も確認することができる。「1songhomelive」で披露される曲からは、こういった地声で歌われることと動きをファンが楽しみながら、“曲を聴いたときにダンスがイメージできる三浦大知っぽさ”を受け取ることで、『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2020 COLORLESS』をイメージできるという醍醐味がある。

三浦大知 (Daichi Miura) / LIVE TOUR COLORLESS at 国立代々木競技場第一体育館 (Teaser)

 そして、「1songhomelive」の期間限定公開という“ルール”もまた、かつて「今は今しかない」と語った三浦大知らしい“同じライブは2度とない”という考えと共鳴する部分であり、本来予定されていた公演でしか感じ取ることができない“一期一会”の「三浦大知」をオンライン上でバーチャルに感じることができる要素になっている。

 このように過去の発言と照らし合わせながら考えると、「1songhomelive」は三浦大知が考える自身のライブに対する精神性が反映されたものになっていることがよく分かる。本来、6月には『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2020 COLORLESS』公演は大阪、福岡、京都の4公演が予定されていたことから、同月には同じ数の「1songhomelive」が行われるはずだ。その際は本稿で挙げたポイントに注目しながらぜひ、残りの「1songhomelive」を楽しんでほしい。

 なお、6月17日には2019年11月5日に国立代々木競技場第一体育館にて開催した『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2020 COLORLESS』の映像が、Amazon Prime Videoにて独占配信されることが決定している。ファンにとっては「1songhomelive」とともに無期限延期となったツアーへの望みを繋ぐコンテンツになることは間違いないはずだ。

■Jun Fukunaga
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター。DJと音楽制作も少々。
Twitter:@LadyCitizen69

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