三浦大知、画面越しからも伝わるライブへの精神性 “一期一会”を重要視した「1songhomelive」を考える
新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、予定していた自身のライブツアー『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2020 COLORLESS』の無期限延期を決めた三浦大知。それを受けて今年4月より開始したのが「1songhomelive」だ。
「1songhomelive」は、元々『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2019-2020 COLORLESS』で予定していた各公演日に三浦大知が自宅からファンに向けてパフォーマンスする1曲を届ける企画で、これまでに「Be My self」、「Blizzard」、「Look what you did」、「Your Love」など11曲が披露されている。
同企画までにも新型コロナウイルス禍により中止になった公演予定日にInstagramやYouTubeにてパフォーマンスを公開しているが、永続的に公開される動画コンテンツではなく、1週間限定で公開される期間限定になっていることがポイントだ。
三浦大知といえば、“和製マイケル・ジャクソン”と称される日本には数少ない歌って踊れるポップスターだ。パワフルかつソウルフルな歌声と、近年は無音ダンスが話題になるなど、圧倒的なショーマンシップ溢れるダンスは彼のパフォーマンスの代名詞になっている。この2つの要素は、ファンならずとも一度でも音源やMVに触れてみれば、すぐに先述の“日本には数少ない歌って踊れるポップスター”という言葉がいかに正しいかがよくわかるのだが、そのことを最も肌で感じることができるのは、やはりライブであることは間違いない。
ライブコンテンツでいえば、家の中で音楽を楽しめるプログラム『YouTube Music Week STAY HOME #WITHME』では、『DAICHI MIURA LIVE TOUR 2018-2019 ONE END』ツアーファイナル・大阪城ホール公演映像が期間限定で無料公開されている。その舞台となった会場では、360°を客席に囲まれた巨大なセンターステージが採用されており、その演出からは自身のパフォーマンスのエンターテイメント性を最大限まで高めるための彼のライブに対するこだわりが感じ取れるものになっていた。それだけに今回、実際に彼のライブ映像を見た既存ファン以外の音楽ファンにとっても改めて三浦大知というアーティストに興味を持つきっかけになったことは間違いないだろう。
そのライブ映像では「最後まで音楽で繋がって最高のライブを一緒に作りましょう」という三浦大知自身のMCでの言葉が非常に印象的だったが、これは何も実際のライブの現場に限ったことではなく、「1songhomelive」にもその精神性はしっかりと反映されているように通じる。
「1songhomelive」では、これまでにファンが三浦大知に対して、パフォーマンスしてほしい楽曲をリクエストするという試みが行われている。それは先述の“音楽で繋がって最高のライブを一緒に作る”という彼の言葉に通じる部分であり、“ライブ”とはその圧倒的なパフォーマンスをファンが直に体感するだけのものではなく、アーティストと会場にいるファンが共有することで成り立つという彼の哲学を感じ取ることができる。この繋がりについては、過去のインタビューでも、ライブについて「僕は外側に発信している感じはなく、ファンと一緒に作っている感じがする」と発言していることから、その哲学はしっかりと「1songhomelive」に息づいていることがわかる。
また「1songhomelive」で公開されるライブ動画では、バックに流れるインストトラックにあわせて歌う三浦大知の地声によるパフォーマンスを楽しめるのだが、そこからももちろん、本人が語る“三浦大知っぽさ”を感じ取ることができる。