荻原梓のチャート一刀両断!
PassCode、『STARRY SKY』で初のシングルチャート首位 三者三様な楽曲でライブ感ある1枚に
参考:2020年6月1日付週間シングルランキング(2020年5月18日~2020年5月24日)
最新のオリコンチャートによれば、PassCodeの『STARRY SKY』が7,175枚を売り上げて1位を獲得。続いて、SixTONES vs Snow Man『Imitation Rain/D.D.』が6,748枚で2位、WANDS『抱き寄せ 高まる 君の体温と共に』が5,612枚で3位を記録した。
この週は全シングルの売り上げ枚数が1万枚を下回った。これまでも年末年始などでシングルの発売自体が少なかった週には似たことがあったが、現在は多くのアーティストが発売を延期しているため、こうした珍しい事態が起きる。そんな状況の中で、PassCodeはオリコンシングルチャート初の首位を獲得した。
PassCodeは現在4名のアイドルグループ。エモ系のロックから派生したスクリーモをサウンドの主軸としつつ、そこにシンセ音を大胆にフィーチャーしたいわゆる“ピコリーモ”を展開している。バンドで言えば、Fear, and Loathing in Las Vegasが似たスタイルを採用している(ライブでの共演経験もある)。同じアイドルシーンではBABYMETALの一部の楽曲にも確認できるジャンルだ。
その中で彼女たちの特筆すべきは、一曲の中で何度もリズムが激変し、サウンドアプローチも様々に変化していく点だろう。俗に言う“過圧縮/詰め込み型”で、ライブ自体も休まず最初から最後までハイテンションで駆け抜けていく。
筆者も一度だけ彼女たちのパフォーマンスを生で見たことがあるが、そのあまりの激しさに度肝を抜かれたのを覚えている。しかも、会場は足場が砂で覆われたロケーション(『TOKYO IDOL FESTIVAL』のスマイルガーデン)だったため、観客の激しい運動量と熱によって砂煙が上空まで舞い上がるという異様な光景であった。