嵐、「Love so sweet : Reborn」にも表れた一貫した姿勢 時代感をアップデートして世界に伝えるJ-POPの美学

“Reborn”作品から読み取れる彼らの姿勢

 先日海外展開を視野にレーベルを移籍したSexy Zone(参照:Sexy Zone、嵐に次ぐ海外展開への期待 ユニバーサル移籍後の活動を占う)や、かねてより海外での活動を口にしているKing & Princeなど、後輩グループが今後海外へと飛び立っていく可能性がある。

 その中で先陣を切っているのが嵐であり、ジャニーズ全体として海外へ進出していくための“狼煙”とも言えるのがこのReborn企画の作品群だ。サウンドには大きな改変が加えられ、海外仕様へと変化している。

 その一方で、メロディはほとんど変えていない。特にサビ頭の〈想い出ずっと ずっと〉の部分などは、原曲の肝でもあるキャッチーさをそのまま活かした作りになっている。

 こうした点から、彼らの“ある姿勢”が読み取れる。

 原曲の持つメロディの美しさであったり、耳に残るキャッチーな作りや、「A→B→サビ」という起承転結の展開といった、J-POPそれ自体の持つ魅力を世界へ発信しているように感じるのだ。新曲を畳み掛けるのではなく、あえて既存の楽曲を作り変えるという企画の趣旨も、これまで彼らが積み重ねてきた表現の蓄積を広く世界へ伝えたいからだと思える。すべて英詞にしていないのは、日本語の響きをあえて残したいからではないか。

 そこで思い出すのが、彼らが昨年リリースした「Turning Up」の一節だ。

 〈世界中に放て Turning up with the J-pop!〉

 つまり、J-POPの形式的な部分や音楽的技術、あるいはポップミュージックに対する美学のようなものを彼らは世界に伝えたいのだろう。単に海外で活動したいのではなく、今まで歌ってきたJ-POPの素晴らしさを世界に放ちたい……そういう姿勢を”Reborn”企画、ひいてはここ数年の彼らからは感じるのだ。

ARASHI - Love so sweet : Reborn [Official Lyric Video]

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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