『Nizi Project』が伝える“一人ひとりが特別”であるというメッセージ 「おうち時間」に楽しみたいエンタメ配信番組:Hulu編

『Nizi Project』が視聴者を魅了するメッセージ

 「おうち時間」に注目が集まる今こそ見たい、動画配信サービスのオリジナル番組をピックアップするシリーズ第2弾。今回紹介するのは、YouTube、Huluにて配信している、オーディションバラエティ『Nizi Project』だ。

 『Nizi Project』とは、2PMやTWICEなどを生み出した、韓国の大手芸能事務所JYPエンターテインメントと、ソニー・ミュージックエンタテインメントによる共同ガールズグループプロジェクト。2019年7月より始動したこのプロジェクトは、日本8都市に加え、ハワイ、LAでグローバルオーディションを実施し、1万人以上の応募者の中から次世代のスターをデビューさせることを目的としている。

 情報番組『スッキリ』(日本テレビ系)でも定期的に特集され、4月17日からは『Nizi Project』を追うバラエティ番組『虹のかけ橋』(日本テレビ系)も開始するなど、大きな注目を集めている。3月末にPart1の最終回を迎え、いよいよ4月末からPart2がスタート。ぜひ、今のタイミングで追っかけ視聴をおすすめしたい。

 これまでも多くのオーディションバラエティ番組は実施されてきた。そのなかでも、なぜこの『Nizi Project』がこれほど視聴者を魅了しているのか。もちろん、これまでのオーディションバラエティのように、スターの原石を発掘し、徐々にその才能を開花させていく面白味は『Nizi Project』にも共通している。彼女たちの懸命な姿を応援し、その夢を叶えていく姿に感情が大きく揺さぶられ、日々の生活に刺激をくれるのも同じだ。

 きっと、大きく違うのは、この番組を見ていると自己啓発にも通じる勇気をもらえるからだ。単純に見知らぬ女の子たちの成長を見届けるのにはとどまらず、どこか自分ごとに思える。それは自ら歌手として成功を収め、多くのスターを育ててきたヒットメイカーである、総合プロデューサーのJ.Y. Parkが放つ言葉が、実に本質的で心に刺さるからではないだろうか。

 J.Y. Parkは、冒頭から「他のプロデューサーとは違う基準で選ぶ」と話していた。それは「ナチュラルな魅力」。必死になるほど肩に力が入ってしまったり、伝えるための表現ではなく自己満足に落ち着いてしまったりと、オーディションを実力を見せる場として考えていた参加者たちに、「楽になってください」「誰かの真似はしないでください」「あなたを見せてください」と笑顔で言葉をかけていく。人はみんな顔が違うように、心も精神も違う。だから「あなたが特別であることを表現してください」と訴えるのだ。

 ダンス・ボーカル・スター性・人柄。その4軸を中心に、一人ひとりがどんなふうに特別な存在であるのかを表現していくことを、繰り返し伝えていく。もちろん、その表現をするためには基礎的な練習を欠かさないこと、地道な努力こそが好きなことを仕事にし続ける秘訣なのだ、とも。才能や実力に圧倒的な差があっても、そこをカバーするだけの学習能力があれば、いくらでもデビューの可能性はあるのだと希望を持たせる。

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