SEKAI NO OWARI「Dragon Night」から「Dropout」に至るまで セカオワ流EDM×J-POPの進化を辿る

 今年で活動10周年を迎えるSEKAI NO OWARIの最新配信シングル「Dropout」。この楽曲は、彼らのアニバーサリーイヤーの第一弾リリースであり、放送中のKDDI「au 5G」のCM『「au 5Gその手に」編』のために書き下ろされた楽曲。配信限定曲とはいえ全編英語詞のリリース曲であることや、プログレッシブハウス~フューチャーハウス系のEDMサウンドを大胆に取り入れた楽曲として注目されている。

Dropout

 とはいえ、SEKAI NO OWARIにとって、「EDMの導入」や「全編英語詞の楽曲」は、今回が初めてのことではない。むしろ、この楽曲は過去の様々な活動の延長線上にある雰囲気で、だからこそ、バンドのこれまでの進化が垣間見える楽曲になっている。今回はSEKAI NO OWARIのこれまでの活動を振り返ることで、今回の楽曲に繋がる過程を推察してみたい。

SEKAI NO OWARI – Dragon Night

 まず、SEKAI NO OWARIがEDMを取り入れた楽曲として印象的なのは、2015年のメジャー2ndアルバム『Tree』の収録曲「Dragon Night」だろう。この曲では、EDMのトッププロデューサー、ニッキー・ロメロが共同プロデュースを担当。歌詞では「正義と悪は簡単に決められない」という初期からあったテーマをさらに拡張し、「価値観が違う人々が一緒に踊る一夜の風景」を描いていた。この曲でEDMを取り入れたのは、おそらくそうしたテーマに寄り添ったからこそ。すでに国内で人気バンドとなっていた彼らが、サビを歌からEDMのドロップに置き換えて曲の構造を大きく変化させていく様子は、J-POPリスナーから欧米のポップミュージックを聴くリスナーまでを巻き込んで刺激的な冒険として話題となった。年末には初出場した『第65回NHK紅白歌合戦』でもこの曲を披露した。

 とはいえ、今回の「Dropout」の音楽性は、同じく「EDMサウンド」という部分では共通しながらも、「Dragon Night」とはタイプが違うものになっている。その影響源として考えられそうなのは、2019年に同時リリースした2枚のフルアルバム『Eye』と『Lip』だ。

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