IDOLiSH7 和泉一織が併せ持つ、大人びた部分と純粋さ 巧みに音楽表現を変化させるボーカリストとしての力量も

 アイドルという職業は、他人から見られて初めて仕事として成立するものである。数多くのアイドルたちが自己プロデュースによって、他人にどう見られるかをコントロールしながら活動している。コントロールが完璧である必要はない。ファンは、プロデュースされた偶像と、そこから垣間見える本質の両方に惹かれ、“アイドル”であるその人を愛するからだ。

和泉一織「ONE dream」

 IDOLiSH7の和泉一織は、高校生という若さで、自分やグループを俯瞰的に見ながら求められる姿を表現できる稀有な才能の持ち主だ。スタイリッシュで美しくクールなパフォーマンスは彼の意識の高さをそのまま表しているし、時折見せる年相応の顔は新緑のような瑞々しさを感じさせる。その両面こそ、彼のアイドルとしての魅力と言えるだろう。

 グループにおける立ち位置は、バランサーに近いようだ。生来の頭の良さを感じさせる振る舞いで、個性の強いメンバーを縁の下から支えているように見える。遠慮や謙遜から一歩下がるわけではなく、常にIDOLiSH7というグループがより良く在ることを最優先して、その立ち位置を決めているのだろう。7人という大所帯で、各メンバーの特性を深く理解しているからこそのこの働きは、高校生とは思えない冷静さである。メンバーも、無意識の内に彼を頼る場面も多いのではないだろうか。そこには強い信頼関係と、和泉本人の深いグループ愛が確実に存在している。

 まだ10代と年若い彼が、グループにおいて大人びた振る舞いを見せるたびに、アイドル・和泉一織をもう少し主張してもいいのではないかと、もどかしい気持ちにさせられることもある。こう感じてしまうのは彼のアイドルとしてのポテンシャルが相当高いからに他ならないが、それは今の彼の望むところではないのだろう。だが、どのようなポジションにいたとしても、和泉がIDOLiSH7に欠かすことのできない優秀な歌手・パフォーマーであることは間違いない。

 和泉の音楽的な特徴としては、繊細な歌声が一番に挙げられるだろう。

 ソロ曲の「ONE dream」を聴くと、その細やかさがよくわかる。涼やかな歌声だが、それは冷たさではない。心の底で燃える静かな情熱を歌声に滲ませ、曲の世界観やメッセージをまっすぐに表現できる優れたボーカリストだと実感できるはずだ。

和泉一織「ONE dream」

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