音楽クリエイター集団「†Fanatic」とは何者か? 特異な成り立ちと、切なくも狂気的な楽曲が示す個性

音楽クリエイター集団「†Fanatic」とは何者か? 特異な成り立ちと、切なくも狂気的な楽曲が示す個性

 †Fanaticが1stミニアルバム『聖少女症候群』を発売した。†Fanaticはイラストレーターとしての活動を中心としながら、ゲームのシナリオ・プログラミングも担当している黒野京を中心に結成された4人組の音楽クリエイター集団である。収録曲全曲、黒野京が作詞を担当しており、作曲は『マーダグラム』のサウンドトラックを手がけていた黒野める。芯のある太い歌声でシャウトもこなすタラチオと、繊細で透き通った歌声の水槽の2人がボーカルだ。この2人は歌い手としても活動をしている。ミニアルバムでは「Secret Lair」という曲でニコニコ動画やYouTubeを中心に活動しているゆきむら。がゲスト参加しており、4人組だがグループの枠にとらわれずに良い作品を作ろうとしている。それはバンドや音楽ユニットというよりも、音楽作品を作るクリエイター集団と呼ぶべきで活動体系であろう。

 ミニアルバムの収録曲数は全6曲。水槽ボーカル曲が3曲、タラチオボーカル曲が2曲、ゲストボーカルでゆきむら。が1曲参加している。楽曲ごとにタイプの違うボーカリストが歌っているが、ミニアルバム全体としては統一感がある。

†Fanatic – 1st Mini Album 「聖少女症候群」全曲クロスフェード

 歌詞は独特な言い回しが多い。「黙示的殉教」の〈狂信的賛美 堕落に溺れて/脳をかみ砕けよ 錆ついた神を呪えよ 今〉や、「I’ll be right here」の〈「生きとし生ける者よ、遥かな祈りよ。」 /「愛は聖者を啼く、恐れよ世界を」〉という歌詞は、ポップスではあまり使われない言葉で構成されていて個性的だ。英語を使った歌詞が多いことも特徴的であり、「I’ll be right here」はサビの英語詞が印象的な楽曲になっているし「Answer」もほとんどの部分が英語詞だ。歌詞の内容は狂気や闇を感じさせる内容も多く、「このさよならに、愛をこめて。」では〈繰り返す記憶/心臓(を)刺す凶器になった。/明日を失っている/消えそうになっている 君〉と歌い、「Answer」では〈Death is imminent and will come for us all.〉と歌っている。日本語に訳すと「死は差し迫ったもので全員に訪れるものだ」という意味になる。このように聴いていてゾクゾクするフレーズも多い。

†Fanatic – 黙示的殉教 MV

 曲はメタルやラウドロックの影響を感じられるのも特徴だ。タラチオがボーカルを務める「黙示的殉教」と「Answer」は、激しい歌唱やシャウトによってメタルファンやラウドロックファンも楽しめる曲になっているし、水槽のボーカル曲でもリズムパターンや音作りからメタルやラウドロックの影響を感じる。

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