“PRIZMAXとホリックだけの世界”を極限まで追求ーー無観客&生配信によるラストライブをレポート

PRIZMAX、無観客ラストライブレポ

 ライブも終盤に入ったタイミングで、アッパーな「Beginning」「DADADADADADA」「Light The Night」をノンストップのミックスメドレー形式でドロップ。終演後に明かされたのだが(参考)、このメドレーのリミックスはDJとしても活躍する島田が手掛けたもので、曲間部分に当日パフォーマンスされなかった「DANCE」「WHO」などアルバム『FRNKSTN』からの楽曲が盛り込まれていたのも興味深かった。サウンド面だけでなく前転からの激しいダンスソロなど、ダンス番長の島田がいかんなくそのスキルを発揮。さらに「DADADADADADA」での、メンバー全員で森崎をリフトするといった印象的な振りなどもあり、画面には「最高か」「かっこよすぎ」「ヤバい」といったコメントが並び、会場は無観客にもかかわらず一気にステージが熱を帯びてきたのを感じた。

 映像コーナーを挟み、ここからはホリックの投票で選ばれた「ワイの推し曲ベスト10!」の上位3曲のパフォーマンスへ。3位はライブでも人気の高いラブソング「HUG & KISS」。ボーカルの3人が遊び心を盛り込みながら歌ったり、森崎が清水にキスしたり、全員でカメラを覗き込みながらのパフォーマンスなど、ハッピーオーラ溢れるステージを展開していく。

 森崎の作詞作曲による2位の「カフェオレ」はシングルの表題曲ではないが、国内はもちろん森崎の地元でもあるミャンマーでもパフォーマンスされており、現地のホリックにも親しまれてきた彼らの代表曲の1つ。この曲でも小川がラップに参戦し、画面越しにホリックに一緒にサビの振りを踊るよう呼びかける。

 本編最後のMCでは「どうしよう、死ぬほど楽しいねんけど!」(清水)、「いや、めちゃめちゃ楽しくね?」(森崎)と興奮気味に語ってもいたが、ここで1人ずつがホリックへの最後のメッセージを伝えていく。「自分の中でPRIZMAXは生き続ける」と語った小川とケビン。最年少の森は「自分が成長できたのはメンバーやスタッフ、ホリックのみなさんの支えがあったからこそ」と振り返った。そして人生の半分以上をPRIZMAXの一員として過ごした島田と清水は「本当に幸せでした」「最高の時間をありがとう」と結んだ。メンバーやスタッフ、ホリックへの感謝の言葉を全員が語る中でも「大ちゃん、つばちゃん、もーりー、ケビン、ふみ、そしてゆうちゃん(福本有希)、(黒川)ティム。そして何よりもプリズを今日まで信じてくれたホリック、本当にありがとうございました」とCDデビュー時からのメンバー全員の名前を挙げ、これまでを振り返った森崎の言葉が胸に沁みた。

 「しんみりで終わりたくないから、ラスト1位には楽しく終われる曲もってきました!」(清水)という曲振りで披露された一番人気の楽曲は、ライブの定番として長年愛されてきた「Three Things」。イントロで森崎が「やっぱそうだよね!」とひとりごちていたが、永遠の愛を誓うラブソングであり、メンバーが1列に連結したり、2人1組で腰を軽くぶつけ合うバンプなど、振りからも多幸感が伝わる同曲。締めの歌詞〈I could die for you〉を全員で歌った瞬間、銀テープが炸裂。エンディングで映し出された客席には大きな「I ♡ U」の文字が出現し、本編は幕を下ろした。

 ホリックによる、英語も含む「アンコール!」の声に応えて「my  girl」で再びステージに戻ってきた6人。森崎と清水がなぜかグッズのタオルをお互いの首に結び合ったりとイチャコラ感も見せつつ、落ちサビのフックである〈Kiss me, get it on!〉をパフォーマーの島田がシャウトするなど、勢い溢れるパフォーマンスでライブを締めくくった。

 客席を見回し「銀テは(PRIZMAXのライブでは)初めてなんだよね」(島田)などと感慨深げに語っていたメンバー。「今までたくさんの幸せ、たくさんの愛情をありがとうございました。これからもPRIZMAXは消えません。みなさんの心の中にも、僕らの心の中にもずっと残り続けると思います。一人ひとりが羽ばたいていきますが、PRIZMAXの名に恥じぬような人間、エンタテイナーになっていけるよう、日々精進してまいります。これからも僕たち6人、いや8人を、よろしくお願いします」と、最後にメンバーを代表して森崎が挨拶した。楽曲投票に参加したホリックのリストが「SPECIAL THANKS」として盛り込まれたエンドロールでは「FIND THE WAY~卒業~」が流れたのだが、どこか聞き覚えのある声が……? やはり終演後のケビンのツイートで明かされたのだが、彼のディレクションのもと元メンバーの黒川、福本の歌声も含むメンバー8人の声が入ったスペシャルバージョンがこのライブのために用意されたのだという。そして同曲が流れている間もずっと、6人は名残惜しそうに画面に流れるホリックのコメントを読んでいた。

 これまでのPrizmaX/PRIZMAXのライブには、たとえば初対面の男女2人が登場するショートフィルムの世界観とライブを融合させた『Level 4』(2016年)、ドキュメンタリータッチの映像でグループの歴史を振り返った『Level 5』(2017年)、カフェを舞台にした人間模様をドラマ仕立てでライブと融合させた『Level 8』&『Level 9』(ともに2019年)など、映像や芝居を大胆に盛り込む演出が多く見られた。森崎を筆頭に役者として活動するメンバーも多く、ダンス&ボーカルグループとしては規格外ともいえる表現力を活かしてライブを重ねてきたが、今回の『Level 0』ではそういった付加要素をそぎ落とし、強い絆で結ばれた“PRIZMAXとホリックだけの世界”を極限まで追求していたように感じた。

 もろもろ名残惜しさもあるが、ニコ生のコメントにあったこの言葉を引用させていただきレポートを締めくくりたい。「ありがとう PRIZMAXがNo.1」。

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