The Individualism of BEYOOOOONDS ~ビヨーンズの個性と発展~

BEYOOOOONDS 島倉りかを知るための5つのポイント あらゆる面で見せる“ギャップ”が魅力に

4. ギャップから生まれるパフォーマンス

 毎年12月31日にハロプロで恒例となっている公演が、中野サンプラザでのカウントダウンコンサート『Hello! Project COUNTDOWN PARTY ~GOOD BYE & HELLO!~』(以下、カウコン)。深夜に行う第2部のほうは18歳以上しか出演できないので登場メンバーが限られるのだが、島倉は前回・前々回ともに出演し、それぞれ爪痕を残している。

 まず2018→2019年のカウコン。カントリー・ガールズの山木梨沙、BEYOOOOONDSの一岡伶奈、高瀬くるみ、そして島倉の4名で、カントリーのシングル曲「わかっているのにごめんね」をカバーした。カントリー・ガールズ森戸知沙希自身も明言していた棒読み歌唱&セリフ(いい意味で!)は、この曲の聴きどころだ。以前から尊敬する先輩として森戸の名前を出していた島倉は、この日の歌割で森戸パートを任されることになった。森戸の棒読み歌唱&セリフのプリミティブな魅力をよく理解している島倉は、事前に練習してその再現に努めた。結果、共演した山木から「CD音源のちぃ(森戸)と同じ歌い方が聴こえる!」という絶賛を得た。なお、島倉は一番好きな森戸の歌唱パートとして「ためらい サマータイム」の〈ダーリンかもね?〉の部分だと発言しており、これも一貫した姿勢を感じる。

 2019→2020年のカウコン2部では、BEYOOOOONDS内の18歳以上のメンバー6名(一岡伶奈・島倉りか・高瀬くるみ・平井美葉・小林萌花・里吉うたの)で、雨ノ森 川海のオリジナル曲「GIRL ZONE」を披露した。つまり、雨ノ森のオリジナルメンバーは高瀬のみで、普段は歌わないほかの5名が入った「GIRL ZONE」が聴けるというレアな機会だったのだ。大森靖子作詞作曲のこの曲はCHICA#TETSUの楽曲とは対照的な、セクシーかつアグレッシブな曲調が特徴であり、特に中盤では女学生の本音をぶちまけるかのような攻撃的なセリフパートがある。平井・小林・里吉のパフォーマンスも良かったが、目をひん剥いて〈やっぱ 絶対 やめてやんねえ/教わったことなんてなんの役にも/たたないまんま 成功してやる〉と叫ぶ島倉の姿はインパクト大だった。前述の実力診断テストでの「Fiesta! Fiesta!」もそうだが、普段のたたずまいからのギャップであると同時に、決めるべきところで決めていくことができるのが島倉の強さだろう。

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