フレデリック、クリエイティブなライブで会場を掌握 『終わらないMUSIC』ツアー横浜アリーナ公演レポート

フレデリック、横浜アリーナ公演をレポート

三原康司(写真=渡邉一生)

 この幻想的な光景から一転して、暗闇に包まれたなかギターが深いリバーブを響かせ妖しくも美しく展開したのは「峠の幽霊」。アリーナの後方に設けられたセンターステージに向かってぼんやりと明かりが灯り、徐々にスモークが立ち込めていくその道を、白いドレスの女性がふわりふわりと歩いている。観客は闇のなか息を飲むようにして、その薄明かりと音が紡ぐ世界に染まっていった。そしてスモークで煙るセンターステージにピンスポットが当たると、そこにはボーカル三原健司の姿があった。「対価」では、フロントステージの3人と、センターステージの健司が掛け合うようにして演奏し、続く「逃避行」で再びフロントステージに戻ると「TOGENKYO」、「KITAKU BEATS」へ。「まだまだやるで!」(健司)と躁的なリフとビートでスピードアップしていく。装飾を削ぎ落としたロックンロール「バジルの宴」は、現在のフレデリック・サウンドの中でも際立って野性味が溢れていて、いいアクセントになっている。そこに最強にポップな「オドループ」を投下して歓声を大きくすると、ラストに演奏したのはEP『VISION』に収録された「イマジネーション」だ。ファットなボトム感が強調されたファンキーなビートが響く中、健司が「今、一番カッコいいフレデリックを見せて帰ります」と宣言した。骨太なギターリフと、ずっしりとヘヴィなグルーヴ、エモーショナルに跳ね回るしなやかなボーカルがダイナミックに絡み合って爆発していく曲は、怒涛のライブで鍛え上げてきた今の彼らだからこそのスケール感で会場に轟く。フロアに降り立った健司は、アリーナ席をゆっくりと練り歩きながら歌い、エンドレスでシンガロングを巻き起こしていった。フレデリックといえば、ポップでドラッギーなループ感がクセになる「オドループ」が代表曲だろう。そこから新たなフレデリック印へとバトンタッチし、新たなフェーズへと突入したことを体感させるようなエンディングとなった。

高橋健(写真=渡邉一生)

 アンコールではセンターステージで、『フレデリズム2』からは初披露となる「CLIMAX NUMBER」をアコースティックで披露。またそれぞれこのツアーでの思いをコメントした。高橋は、初のアリーナ公演となった2018年の神戸 ワールド記念ホールが、神戸出身のフレデリックにとって思い入れのあるライブだったが、自分は横浜出身なのでこの横浜アリーナでフレデリックとしてライブできた事が嬉しいと語る。「最後までみんなのためにドラムを叩かせてください」という高橋に、健司も負けずに「俺だってみんなのために歌います」と言い、「ここからもっともっと進んでいけるのは嬉しい。いい音楽を作って、鳴らして、遊びきって行きたい」と続けた。そしてラストはEP『VISION』から「終わらないMUSIC」を披露し、「俺たちフレデリックは次のステージに進みます。これからもよろしくお願いします」(健司)と、歓喜の声が沸くなか長きにわたったツアーを締めくくった。大型ビジョンでツアーのエンドロールが流れ、10月から新たなツアー『FREDERHYTHM TOUR 2020』 や、2021年に日本武道館公演『FREDERHYTHM ARENA 2021』を行うことも発表された。会場が心地よい余韻に包まれる中、最後に映し出された〈終わらないMUSIC 僕らのMUSIC〉のフレーズに、もう一度大きな拍手が沸き起こった。

(メイン写真:渡邉一生)

■セットリスト
1. 飄々とエモーション
2. シンセンス
3. VISION
4. オンリーワンダー
5. 夜にロックを聴いてしまったら
6. スキライズム
7. シンクロック
8. 真っ赤なCAR
9. LIGHT
10. NEON PICNIC
11. 峠の幽霊
12. 対価
13. 逃避行
14. TOGENKYO
15. KITAKU BEATS
16. バジルの宴
17. オドループ
18. イマジネーション

<アンコール>
19. CLIMAX NUMBER(FAB!!)
20. 終わらないMUSIC

フレデリック オフィシャルサイト



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