aiko、flumpool、氣志團、fhána、MONKEY MAJIK……ポップスとしてのソングライティングが光る最新作

fhana『星をあつめて』

 アニソンシーン、バンドシーンの壁を越えた活動を続けている4ピースバンド・fhánaの新シングル曲「星をあつめて」は、アニメ制作の現場を舞台にした劇場版『SHIROBAKO』主題歌。シャッフルやマーチングのリズムを取り入れたアレンジ、朗らかな平歌からマイナーコードを挟んだ転調、解放的なサビが広がる構成、The Beatlesを想起させるストリングスなど多彩なファクターなどがバランスよく収められ、このバンドが持つハイブリッドなセンスが存分に発揮されている。“自分にとって大切なものを失っても、夢の欠片を集めながら進んでいく”というイメージをもたらす歌詞も、『SHIROBAKO』のストーリーに寄り添いながら、幅広いリスナーに訴求できるポップネスを備えていると思う。

fhána「星をあつめて」(劇場版『SHIROBAKO』主題歌)MUSIC VIDEO
Monkey Majik『northview』(CD)

 今年バンド結成20周年を迎えたMONKEY MAJIKのニューアルバム『northview』は、メイナード・プラント(Vo/Gt)、ブレイズ・プラント(Vo/Gt)の母国・カナダで制作。『eastview』(2005年)、『westview』(2011年)、『southview』(2016年)と“視点”をテーマにした東西南北シリーズの最終章は、オルタナティブロック、ブラックミュージック、エレクトロといったカラフルな要素を自由に取り込んだ、ボーダレスな仕上がり。邦楽・洋楽という枠を最初から超えている4人の、もっとも根源的なスタイルに回帰した作品と言えるだろう。個人的ベストトラックは、ノスタルジックな旋律と有機的なバンドサウンドを軸にしたミディアムバラード「Golden Road」。周囲から何を言われても、自分たちが信じた道、進みたい道を歩んできた4人の姿がここにある。

MONKEY MAJIK - Golden Road【Official Music Video】

※記事初出時、一部表記に誤りがございました。訂正の上お詫びいたします。

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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