WANDSが明かす、解体から再始動へと至った背景と未来へのビジョン「新しいWANDSの音楽になっていく」

WANDS、解体から再始動へと至った背景

WANDSとしてステージに上がるのはまったく意味が違う(柴崎)

第5期WANDS teaser movie

ーー第5期WANDSのスタートは、2019年11月17日に大阪・堂島リバーフォーラムで行われた復活ライブ。手ごたえはどうでした?

上原:1週間くらい前から寝られなかったんですよ。基本、ライブで緊張とかしないんですけど、人生で初めてと言っていいくらい、頭が真っ白になりそうな感じがあって。寝ようと思ったら、心拍数が上がったり。

柴崎:やせたよね?

上原:そうですね(笑)。ライブもすごく緊張して、ライブ自体もあまり覚えてなくて。あとで映像を見て、「もっとこうすればよかった」とか、いろいろ思いましたけど。

柴崎:WANDSとしてギターを弾くのは、やっぱり違いますよね。以前から「もう1回、WANDSの曲を演奏しているところを観たい」という声もあったし、他のアーティストがWANDSの曲をカバーするときにサポートとして弾くことはあったけど、WANDSとしてステージに上がるのはまったく意味が違うので。かなり緊張感がありました。

木村:さっきも言いましたけど、僕は裏方に回ることを決めていたので、(WANDS加入の)話があったときも、首を横に振ろうとしてたんです。覚悟を決めて裏に回ったし、その仕事に誇りを持っていたので、自分の立ち位置を“表”に戻すことに葛藤があって……。でも、いろいろ考えるなかで、「大島が抜けて俺が入るのは、前と一緒だな」と思ったり。あと、柴崎に会いたかったというのも大きいですね。

柴崎:(笑)。

木村:いまはもちろん、3人でがんばっていこうと思ってますけどね。上原が入ったことで、「若い芽を摘んではいけない」という気持ちもあるんですよ。自分のことよりも、どうやったら上原がカッコ良く見せられるかを考えているというか。

ーー復活第1弾シングル曲「真っ赤なLip」は、ロック、ジャズなどが融合したハイブリッドなナンバー。これまでのWANDSのイメージを刷新するような楽曲だと思います。

上原:聴いた瞬間に「めっちゃカッコいい」と思いましたね。ただ、自分の想像とは違ってたんですよ。エイトビートのロックが来るかと思ってたんですけど、スウィンギーだし、メロディもかなり複雑で。以前のWANDSらしさもありつつ、いまの若い人が聴いてもカッコいいと思う、どっちの要素もある曲だなと。

柴崎:最近の大島の感じが出てますね。コードワークが凝っていて、ベースラインもすごく動いて。音像、メロディ、構成もそうですけど、すごく頭を使っているというか。

木村:ブラスセクションのパッセージは、Earth, Wind & Fireみたいな雰囲気もあって。僕ら世代のリスナーも親しみやすいと思います。演奏するのはすごく難しいですが(笑)。

ーーこれだけ多彩な要素が入っていながら、聴いた感じはすごくポップですよね。ギターソロもかなり弾きまくっていて。

柴崎:当初はキーボードと掛け合いする予定だったんですが、とりあえずフレーズを考えて弾いたら、それが全部使われて。尺もそこそこ長いんですけどね。

ーー最近のロックバンドはギターソロを弾くことが少なくなってるので、新鮮でした。

柴崎:そうですよね。どんどん弾こうと思います(笑)。

上原:ギターソロが少なくなったのは、ミュージシャン側が気にしすぎてる面もあると思うんですよ。聴いてるほうは間奏にどんな音が入っていても気にしないだろうし、ギターソロが古いというわけではないので。

柴崎:「早く歌が戻ってこないかな」という雰囲気を感じることはあるけどね(笑)。そこは勝負というか、聴いてる人を退屈させないようなギターソロを弾かないと。そこは頑張っていこうと思います。何が何でも全曲に入れようって訳ではないですけど。

ーー作詞は上原さんが担当。

上原:そこは自然な流れというか、「じゃあ、歌詞書いて」って(笑)。『名探偵コナン』を意識しつつ、「“世の中何があるかわからない”というテーマにしてほしい」という話もあって、“ミステリー”“迷宮”というイメージでいくつか書いたんですけど、ネタ切れになっちゃったんですよ。その後「真っ赤なLip」のデモが上がって、ジャジーでおしゃれな印象もあったから、テーマは残しつつ男女の関係だったり、ちょっと大人っぽい雰囲気にしてみようかなと。サビの「真っ赤なLip」という言葉は、2週間くらい考えてたんですよ。「真っ赤な口紅って、ちょっと古いかな?」っていろんな人に聞いてみたり。いまの若い女の子も普通に赤い口紅を使うみたいなので、このフレーズにしました。

試しながら、歌がいちばんカッコよく伝わる曲を作りたい(木村)

ーー通常盤には「時の扉 ~WANDS 第5期 ver.~ 」、名探偵コナン盤CDには「もっと強く抱きしめたなら ~WANDS 第5期 ver.~」が収録されています。

柴崎:「いまWANDSの曲をやるんだったら、こういうサウンドになる」という感じでアレンジしました。リリース当時のアレンジが好きな人もたくさんいるので、コードや印象的な部分はあまり変えず、いまの自分たちの感じでやれたらなと。

木村:個人的にはリアレンジよりも原曲が好きなタイプなんですよ。原曲に思い入れがある人も多いだろうから、そのイメージは外せないですよね。ただ、当時のまま演奏するのは逆に難しいんです。使ってる機材がまったく違うし、この20年でレコーディング環境も様変わりしたので。ビートルズ(The Beatles)のサウンドを再現できないのと同じで、どうやっても自然といまの音になるんですよね。

上原:この2曲に関しては、まったく現実感がないですね。カバーすること自体、最初はめちゃくちゃ怖かった。レジェンドバンドの有名曲を歌ったら、何を言われるだろう? って。

ーー実際、反応はどうでした?

上原:ブーイングの嵐かと思ってたんです、最初は。僕がWANDSのファンだったら、「なんだ、あのボーカル」って思うだろうなって。ライブの映像がYouTubeにアップされたときも、90%くらいが”bad”かもなと思ってたんですが、予想以上に温かいコメントが多くて。ありがたくて泣きそうになりました。

柴崎:WANDSの再始動を発表したときは、批判のほうが強かった気がしていて。その4日後がライブだったんですが、そのあたりから肯定的な意見が増えたんですよ。励みになりますね、ホントに。

木村:僕も相当覚悟してましたが、本当に温かいお客さんが多くて、逆にビックリしましたね。特に「やっぱりWANDSが好きだ」というコメントを観たときは涙が出るくらい嬉しかったです。

ーーやはり復活を心待ちにしているファンが多かったんでしょうね。90年代のヒット曲を中心に、WANDSの楽曲を心に刻んでいる人もたくさんいるでしょうし。

木村:ありがたいですね。僕らはずっとスタジオで作業してたから、当時はヒットしてる実感がなかったんですけど。

上原:そうなんですね。

柴崎:うん。ライブツアーもそんなにやってないしね。ライブはどんどんやりたいですね。求めてくれる人に会いに行きたいので。

上原:いまはライブをやってナンボですからね。フェスにも出たいです。

ーー期待してます! 第5期WANDSの音楽性はどうなっていきそうですか?

柴崎:次のを制作中ですが、まだまだこれからですね。ある程度、音楽的なふり幅を持って制作したいとは思ってますが。

上原:いまの若い人たち、WANDSを知らない人たちがパッと見たときに、「カッコいい」と感じるようなサウンドにしたいですね。

木村:上原のポテンシャルもまだ全てわかってないし、いろいろ試しながら、歌がいちばんカッコよく伝わる曲を作りたいですね。それを重ねることで、新しいWANDSの音楽になっていくと思うので。

■リリース情報
『真っ赤なLip』
2020年1月29日(水)リリース

通常盤(CD)¥1000+税
1.真っ赤なLip 2.時の扉 〜WANDS 第5期 ver.〜

名探偵コナン盤(CD)¥1000+税 
※「名探偵コナン」描き下ろしアニメ絵柄ジャケット
1.真っ赤なLip 2.もっと強く抱きしめたなら 〜WANDS 第5期 ver.〜 3.真っ赤なLip -TV size-

<楽曲クレジット>
・真っ赤なLip
作詞:上原大史 作曲/編曲:大島こうすけ
・時の扉 〜WANDS 第5期 ver.〜
作詞:上杉昇 作曲:大島康祐 編曲:柴崎浩
・もっと強く抱きしめたなら 〜WANDS 第5期 ver.〜
作詞:上杉昇・魚住勉 作曲:多々納好夫 編曲:柴崎浩

<通常盤・名探偵コナン盤共通封入特典>
▶アニメ「名探偵コナン」×WANDS「真っ赤なLip」AR企画パスワード
▶WANDS SPECIAL LIVE EVENT 応募用シリアルナンバー
抽選で200組400名をご招待

開催日時・会場
2020年2月13日(木) 19:00~ 大阪市内某所
75組150名
2020年2月16日(日) 13:00~ 東京都内某所
125組250名
応募締切:2020年2月2日(日)23時59分まで

WANDS 公式サイト

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