赤い公園、キュウソネコカミ、tricot、Halo at 四畳半、ネクライトーキー……独自のアンサンブル/アレンジ追求するバンド作品

Halo at 四畳半『ANATOMIES』

 ファンタジックなストーリー性と切実な思いを重ねた楽曲、歌を中心に置きつつ、メンバー個々のプレイヤビリティを活かしたサウンドによって支持を拡大し続けている4ピースバンド、Halo at 四畳半のメジャー2ndアルバム。タイトルである「ANATOMIES」は“解剖、分析”の意味。日々のなかにある感情を真っ直ぐに見つめながら、豊かで音楽的な意匠に富んだアレンジとともに表現した楽曲が収められている。未来に向かって歩んでいく意思を推進力に溢れたリズムで後押しする「イノセント・プレイ」(間奏パートの美しいストリングス、その直後に鳴り響くギターソロも素晴らしい)、爽やかなコーラスワークと瑞々しいアコギの響きが印象的なポップナンバー「クレイドル」など、楽曲のムードを増幅させるアンサンブルにも耳を傾けてほしい。

Halo at 四畳半 "イノセント・プレイ" (Official Music Video)
ネクライトーキー『ZOO!!』

 バンドの中心である朝日(Gt)がボカロP“石風呂”名義で発表した楽曲をバンドバージョンで音源化したミニアルバム『MEMORIES』に続く新作『ZOO!!』は、ライブですでに披露されている「深夜とコンビニ」「ボケナスのうた」などを含む10曲入りフルアルバム。〈ちゅらちゅらちゅら〉という中毒性のあるサビと“わからなくても進め!”というメッセージが一つになった「夢みるドブネズミ」、エキゾチックな旋律とともに小学校時代の風景が浮かび上がる「放課後の記憶」。オルタナ、ギターロック、J-POPなどが混ざり合った音楽性、卓越した演奏技術と遊び心満載のアレンジ、そして、もっさ(Gt/Vo)の中性的なボーカルなど、バンドの個性が端的に示された充実作。本作によってメジャーシーンに進むネクライトーキーは今年、さらなるブレイクを果たしそうだ。

ネクライトーキー メジャーデビューAL「ZOO!!」trailer

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる