22/7(ナナニジ)結成3周年で迎えた大きな節目 花川芽衣卒業と河瀬詩加入を経て紡ぐ新たな始まり

22/7、結成3周年で迎えた大きな節目

 イベントは最終盤ブロックに入ると、4thシングルから「何もしてあげられない」「ロマンスの積み木」、そしてアーティストとしてのライブの高揚感を見せつける「韋駄天娘」でタイトに締めくくられ、本編を終えた。

 ところで、この日は2019年内で活動を終了する花川芽衣がライブパート全編に参加し、楽曲パフォーマンスを披露した。当初、挨拶だけの参加とアナウンスされていた花川にとって急遽のライブ参加であったが、グループの一員としての立ち振る舞いはこれまでの彼女の姿とも遜色なく、楽曲と溶け合ってみせる。もっとも、他のメンバーとともに来春リリースの5thシングル新衣装に袖を通した花川のパフォーマンスは、グループにとってひとつの分岐点となるこの日この時にしか存在しない。22/7のここまでの3年間の足跡をひととき記憶に留めるように、未来の22/7衣装で踊る花川の姿が強く印象づけられた。

 アンコールでは「11人が集まった理由」が花川の存在へと集約していくように披露されたのち、花川演じる斎藤ニコル役の引き継ぎが発表され、新たに斎藤ニコルを担う河瀬詩がステージに登場して、2020年以降の22/7新体制が示された。

 この日のイベントは結成から3周年を迎えた祝祭であると同時に、花川とともに22/7のこれまでの足跡を確かめ合う尊い時間でもあり、そしていよいよプロジェクトとしての本領が発揮される年明けに向かうための助走でもある。現在までの日々と未来とに思いを馳せる節目の日を終えて、22/7は2020年に向かう。

■香月孝史(Twitter
ライター。『宝塚イズム』などで執筆。著書に『「アイドル」の読み方: 混乱する「語り」を問う』(青弓社ライブラリー)がある。

22/7(ナナブンノニジュウニ)公式サイト

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