日向坂46、幻の楽曲「日向坂」テレビ初披露に込められた意味とは? パフォーマンスや歌詞から考える

 では、そんな「日向坂」をなぜ『FNS歌謡祭』で披露したのだろうか。「キュン」や「ドレミソラシド」のキュートなダンスで“新しい坂道”を作ってきた彼女たちが、「日向坂」では演出や振り付けを極めてシンプルにし、メンバーが横一列になって歌っていた。それは「誰がフロントか」ではなく「日向坂はみんなが主人公である」というメッセージではないだろうか。同時に、自分たちをまだ知らない人たちに向けて、「日向坂46」がどういったグループなのか伝えているようにも感じた。さらに、最新曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」へと続く流れも感慨深い。「こんなに好きになっちゃっていいの?」は、彼女たちのクールな姿が印象的であり、グループの新たな一面を見せた楽曲。日向坂の“始まり”と“現在”を思わせる演出だ。また、ファンにとっては、走馬灯のように彼女たちの歴史が頭の中を駆け巡ったに違いない。

 2019年、急成長を成し遂げた日向坂46。今回の『FNS歌謡祭』でのパフォーマンスでは、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)をはじめとした音楽特番、そして先日大成功を収めたデビューイヤー最大のイベント『ひなくり2019 〜17人のサンタクロースと空のクリスマス〜』が控えていたこともあり、「日向坂46」の自己紹介的な意味も含められていたのだろう。また、来年には、4thシングルリリースやドラマ『DASADA』(日本テレビ系)の放送、さらに彼女たちの最大の目標だった東京ドーム公演も決まっている。このタイミングで「日向坂」を披露できたことは、今後も飛躍し続けるであろう彼女たちにとって、初心を忘れない心がけとなる重要な出来事だったのではないだろうか。

(文=本 手)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アーティスト分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる