欅坂46、「月曜日の朝、スカートを切られた」で表現した“ディストピア”とは? 『FNS歌謡祭』ステージから見えたこだわり

 12月11日に放送された『2019 FNS歌謡祭 第2夜』(フジテレビ系)に、前週の記事(欅坂46、作品性とリンクした衣装の数々ーー制服から脱却していく“変遷”と一貫した”不自由さ”)で触れた「エキセントリック」の制服で登場した欅坂46。首元の”黒いリボン”が控えめながらも強い存在感を放っていた。披露した曲は1stアルバム『真っ白なものは汚したくなる』に収録されているリードトラック「月曜日の朝、スカートを切られた」。〈友達を作りなさい〉〈スポーツをやりなさい〉〈大人になるため/嘘に慣れろ!〉と歌詞にもあるように、常識の形をした同調圧力が蔓延る世の中で生きる少女を主人公とした作品で、そんな彼女がある日何者かによって“スカートを切られた”ことで、ある決意をするに至るまでの心象を描いている。

欅坂46 『月曜日の朝、スカートを切られた』

 序盤は、鎖のように腕を組んで繋がれたメンバーたちが顔を伏せたままぞろぞろと起き上がり、重たい足取りで左右に広がっていくシーンから始まった。醸し出される空気は虚無的で、不自由さや重苦しさも伝わる。さらにサビに入ってもそのままどんよりとしたムードは続き、硬質な床面や、背後の大きな窓枠による荘厳なスタジオセットも相まって、ステージで繰り広げられる世界はまるでディストピア。さながら洋館を舞台にしたホラー映画のようで、視聴者の「怖い」といった感想も頷ける。センター平手友梨奈はどこか虚ろな表情を浮かべながらゆっくりと床に仰向けになり、顔面を静かに両腕で覆い隠す。それに対するメンバーたちの嘲笑うような表情も印象的。スタジオを照らす青い照明が、現場に漂う冷たい空気を強調していた。

 以前までこの曲は、もう少しばかりダンス成分が多めだった。欅坂46は振り付けを固定せず変化させていくことでも知られている。曲の解釈をその都度深め、”世界観をより的確に伝えるため”に常にブラッシュアップしているのだ。今回のパフォーマンスでは中盤の〈誰もが/何かを/切られながら/生きている〉あたりから大きく振りの変更が加えられていて、倒れたメンバーを他のメンバーが引き摺ったり、舞台上でメンバーがあちこちで止まったり、その舞台上をセンター平手が彷徨ったりなど、今までなかった演技が加わっている。その分リズムに合わせて踊るダンスパートは減らされているのだ。そうしたことで踊るだけでは表現できないような物語的要素がステージに生まれていた上に、終盤に全員で踊る箇所との対比がより鮮明になっていた。

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