FUKI、“クリスマスイブ”に「ラストシーン」を歌う理由 「向き合いたくないラストに目を向けて」

FUKI「ラストシーン」インタビュー

 恋愛にまつわる記念日を毎月ピックアップし、そこに寄り添ったラブソングを12カ月連続で配信リリースしていくという、女性アーティスト初となるプロジェクト「12 Sweet Stories」を展開中のFUKI。第8弾となる「ラストシーン」は、“クリスマスイブ”にインスパイアを受けて制作した楽曲で、12月13日に配信リリースされた。今回の楽曲は幸せなクリスマスではなく、恋愛のラストシーンを描いたせつなさのある一曲になっている。「12 Sweet Stories」の総集編とも言える同曲の誕生背景をFUKIに聞いた。(編集部)

大きなプレッシャーになってしまった 

ーー12月に入り、街はクリスマスムードに包まれています。

FUKI:恋人たちにとってはいよいよ本番といった感じですよね。私はクリスマスの時期が大好きなので、1人で街中を歩いているだけでルンルン。表参道なんかはイルミネーションの点滅がすごくて、クリスマスの曲が流れたりしてるんですよ。もうワクワクしちゃいますよね(笑)。

ーーFUKIさんはクリスマスをどう過ごすのが理想ですか?

FUKI:学生時代は、カップルでどこかに行きたいっていう願望が強かったですけど、最近は家族と一緒にご飯を食べて過ごしたいって毎年思うようになっていて。それは自分が大人になったからかもしれない。家族みんなでお揃いのセーターを着て、チキンを焼いて、みたいなアメリカ映画でよく見るベタなクリスマスが理想ですね。まだやったことないけど(笑)。

ーー恋人にせよ家族にせよ、大切な人と過ごしたいということなんでしょうね。

FUKI:そうですね。クリスマスを一緒に過ごしたいと心から思える人とならば、そんな大それたことをしなくても幸せで楽しいものですからね。「豪華なディナーを」みたいな欲はございません(笑)。

ーーで、そんなクリスマスをせつなく彩る楽曲がFUKIさんから届けられました。12カ月連続配信リリースプロジェクト「12 Sweet Stories」の第8弾、12月24日の“クリスマスイブ”にインスパイアされて生まれた「ラストシーン」です。

FUKI:この曲はけっこう大変でしたね。いつも楽曲制作には時間がかかるタイプではあるけど、今回はいつにも増してめちゃくちゃ時間がかかりました。まず、どんな方向性の曲にしようかっていうところですごく悩んだんですよ。恋人たちにとってクリスマスはある種、メインイベントではあるけど、そこを目前にしたときに「ほんとにこの人とクリスマスを過ごしていいのかな?」とか、ちょっと冷静になってしまったりもするんです。クリスマス前に別れてしまうカップルが多いっていうのは、そういうことが理由で。要はそれくらい重要なイベントだから、それを曲にするっていうことが大きなプレッシャーになってしまったんですよね。

ーークリスマスをモチーフにすると言っても、いろんなパターンがありますしね。

FUKI:そうそう。せつなさのある曲にしようっていうのは最初に決めていたけど、それがハッピーなせつなさなのか、それとも悲しいせつなさなのかでもすごく迷いました。クリスマスだからハッピーなほうがいいのかなと思って一回書いてみたりもしたんだけど、でもなんか違う気がして。

ーーFUKIとして表現するなら悲しいせつなさのほうがいいだろうと。

FUKI:うん。世に出ているクリスマスソングを思い返してみると、私はクリスマスなのに会えない時の感情を描いた曲にグッと来ることに気づいたから、自分の曲として表現するのもやっぱりそっちのせつなさだなって。そこでまず方向性が決まり、次に鼻歌とピアノでメロディを作り始めたんですよね。そこでも「いや違う、これじゃない」みたいなことを何十回と繰り返して。最終的にメロディの候補を2つまで絞り、プロデューサーのEIGOさんと話し合いながら決めました。で、その後にいよいよ歌詞を書くわけですけど、そこでもまた何日も何日も悩みまくりましたね。

ーー難航する作詞作業の突破口を切り開くきっかけは何かあったんですか?

FUKI:最近、よく思うんですけど、私は最後を見るのがイヤな人なんですよ。映画なんかを観ていてもラストシーンの手前で止めて1週間くらい寝かせたりするし、好きなドラマの最終シーズンは1年くらい観なかったりするんです。ほんとはめっちゃ楽しみだから観たくてしょうがないんだけど、「これ観たら終わっちゃうんだよな」って思うと寂しくなっちゃうんですよね(笑)。で、そんな自分の性格は曲にも表れているような気がするんです。私の曲ってだいたい瞬間瞬間を切り取ったものが多くて、そこで感じるワクワクや不安のような感情を描いているんですよね。要は結末まで描かないっていう。

ーーなるほど。ストーリーの行方は示唆されていたとしても、結論を明確に描かない曲が確かに多いかもしれないですね。

FUKI:それはきっと映画とかを観る姿勢と同じだからだと思うんです。ただ、デビュー当時はもうちょっと突っ込んだ、結論が見えるような恋愛ソングを書いていた気もするから、今回はそれを思い出してみるのもいいかなと思ったんですよね。恋愛のラストシーンってほんとは見たくないものだけど、今回はその向き合いたくないラストに目を向けてみようと。そんな気持ちになってからはスラスラと書けましたね。

ーーこの曲の主人公は悲しいラストシーンを予感しつつも、今の関係にふんぎりをつけるべく最後のページをめくる決意をしています。

FUKI:はい。ずっと曖昧なままでもいいと思っていたけど、やっぱりこのままじゃイヤだから思いを伝えに行こう。きっとダメになることはわかってるけど、その最後をちゃんと見届けよう。そんな強い決心をした主人公になりつつ歌詞を書いていきましたね。ラストシーンがどんなものだったかまでは書いていないので、結末は聴いてくださる方々の想像に委ねたいんですけど、ラストのギリギリまで歌詞として書けたのは良かったなって思います。これまで「12 Sweet Stories」ではいろいろなシーン、瞬間を切り取った曲を書いてきましたけど、この曲がひとつの総集編のような感じにもなっている気がするんですよね。意図せずそんな流れになったのも、うれしかったです。

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