平井堅、KinKi Kids、UVERworld、大原櫻子、SHE’S……歌声の魅力が活かされた最新作

大原櫻子『Shine On Me』(通常盤)

 5周年のアニバーサリーに伴う全国ツアー、ドラマ『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』で初のドラマ主演、新作ミュージカル『怪人と探偵』に出演するなど、シンガー、女優として充実した活動を続けている大原櫻子のニューシングル曲「Shine On Me」は、シングルとしては初めてのダンスチューン。ネオソウル、ファンクリバイバルの流れを汲むトラック、生楽器とエレクトロを融合させたアレンジとともに、華やかな開放感に溢れたボーカルを響かせている。特に張りのある高音は、ダンサブルな楽曲によく似合っていると思う。ミュージカルを想像させる歌詞も彼女のイメージにぴったりだ。カップリング曲の「Let Me Go」はEDMテイストの切なくて力強いポップチューン。大原は、Kanata Okajima、Ryosuke”Dr.R”Sakaiと共作で作詞・作曲に参加し、クリエイターとしての第一歩を踏み出した。

大原櫻子 - Shine On Me ダンスTrailer ー
SHE’S『Tricolor EP』(通常盤)

 3カ月連続で配信された「Masquerade」「Letter」「Your Song」を含むニューシングル『Tricolor EP』。アイリッシュにもラテンにも聴こえる不思議なエキゾチズムに溢れたサウンドが印象的な「Masquerade」、このバンドのベーシックな形である“ピアノロック”をアップデートさせたバラード「Letter」(しなやかなコーラスワークも絶品!)、厚みのあるビートとダイナミックに展開するメロディを軸にした「Your Song」と、それぞれの色をはっきりと打ち出した3曲からは、ポップであることを微塵も恐れず、ロックバンドの概念を広げ続けるSHE’Sの新たな境地が実感できる。洋楽テイストのメロディに強い感情を込めた日本語の歌詞を乗せる、井上竜馬のソングライティングもさらに進化。どんなに強く歌っても、そのなかに切なさ、儚さが感じられるのも井上のボーカルの魅力だと思う。

SHE’S - Letter【MV】

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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