「リーグ・オブ・レジェンド」や「フォートナイト」にも アメリカにおけるK-POPの多角的展開
このキャンペーンの特徴としてはやはりエモートに楽曲が付属しているという点で、「フォートナイト」はチーム戦ではなくバトルロワイヤル形式のゲームのため、プレイ時にエモートを作動すればその場に参加しているユーザー全員が戦闘中に自動的に「LOVE SCENARIO」を聴くことになる。さらにエモートは、一回入手すれば他のスキンにも使用することができるため、「LOVE SCENARIO」の楽曲とダンスがK-POPリスナーではない人にも、世界中の「フォートナイト」ユーザーを介して広まっていく可能性があるという点だろう。実際、ユーザーが作成したIKONICスキンのエモートをひたすら10時間エンドレスリピートする動画が2000万回以上見られていたりする。「K-POPは知らなくても『LOVE SCENARIO』は知っている」という層がある程度形成されたことは確実なようだ。
BTSのアメリカでのブレイクをきっかけとして、さまざまなK-POPアイドル達がアメリカ進出を試み始めているが、韓国とアメリカで共通している2次元的サブカルチャーであるオンラインゲームを媒介して広がりを見せていくスタイルは、また新たな動きと言えるのではないだろうか。(G)I-DLEは現在、Asian Agentと契約して本格的なアメリカ国内での活動に備えているようだ。一方、iKONは今年8月に開催された88risingの主催フェスである『Head In The Clouds Festival』に参加。クロージングのDJステージでは「LOVE SCENARIO」が流れ、観客が合唱する姿もあった。MONSTA Xがアメリカの人気カトゥーン『ぼくらベアベアーズ』に出演したり(同作は以前からK-POPのリファレンスが多い作品ではあるが、本人出演は初)、10月にデビューしたばかりのSuperMがデビューEPで米Billboard200の1位を取るなど、現在のアメリカへのK-POPの進出スタイルは以前より多様化してきている。アメリカでも日本同様、音楽ジャンルの一種としてサブカルチャー的な定着はしつつあるK-POPだが、今後はより多角的なカルチャーとの共演が見られるかもしれない。
■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
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