『アナと雪の女王』主題歌、日本でなぜ大ヒットした? “ありのまま”でいられない文化圏だからこそ響いたメッセージ
日本には、本音よりも建前を優先し、決められた「常識」の中で生きることが美徳とされる文化が根付いている。それを一概に悪いこととは言えないが、時にその文化に抑えつけられ、“生きづらい”と感じる人もいるだろう。「ありのままで」生きることが難しい文化圏だからこそ、“本当はこんな風に生きたい”という願いが込められた日本語詞に共感する人が多かったのではないだろうか。それが日本で「レット・イット・ゴー 〜ありのままで〜」が大ヒットした理由の1つだと考えられる。
とはいえ、ストーリー上では半ば取り乱した状態で「ありのままで」と自分に言い聞かせていたエルサ。最終的にはアナをはじめ、周囲の人に自分の力を受け入れてもらうことで心を開き、ハッピーエンドとなった。オラフの頭上にだけ雪を降らすなど、魔法の力を隠すことなくプラスの方向で活かす場面も見られたが、『アナと雪の女王2』でエルサは再び自分の力と向き合うことになる。自分が魔法の力を持つ理由を知った彼女は、本当の意味で“ありのままの自分”になれるのだろうか。映画でその結末を見届けたい。
なお、映画公開日の夜には『ミュージックステーション 2時間スペシャル』(テレビ朝日系)にて、アナと雪の女王の特集が行われる(「映画『アナと雪の女王2』公開当日!名曲特集」)。番組ではMay J.、武内駿輔、中元みずきらが「レット・イット・ゴー ~ありのままで~」、TV初歌唱の最新曲「イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに」を披露する予定だ。
■苫とり子
2019年春からフリーライターに。
主にコラムやライブ・イベントのレポートを執筆しています。
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