風男塾、ael -アエル-、EUPHORIA……“男装アイドル”の魅力溢れる『#だんぱら_フェス』レポ

『#だんぱら_フェス』レポ

 イベントの終盤には各ユニットのとっておきの曲が紹介された。ael -アエル-は「妄想感傷代償連盟」(オリジナルはDECO*27)を初披露。2ndシングルは2020年2月にリリースされることもあわせて発表された。EUPHORIAは、新体制でのぞむ初のシングル『熱烈LOVE!!』を2020年1月8日に発売予定とのこと。往年のディスコミュージックを思わせるアレンジや〈この情熱はすべてを超えていく〉といった情熱的な歌詞はインパクトがあり、大きな反響を呼びそうだ。風男塾の新曲「sunny」は11月6日に発売。8ビートで凝った展開を見せるサウンドメイクや小旗を取り入れたダンスで、今までとは異なる雰囲気に仕上がっているのが興味深い。

 最後は17人がステージに集まり、風男塾の人気曲「太陽みたいなキミが好き」を熱唱。ときに肩を組み、顔を寄せ合いながら楽しそうに歌う様子は、まさに “男装パラダイス”だ。そんな和気あいあいのムードの中、『#だんぱら_フェス』は幕を閉じた。

 3組に共通するのは表面的にボーイッシュであることを捉えるのではなく、“少年”という言葉から連想される純粋さやひたむきな姿勢、ポジティブな思考なども大切にしている点である。そのパイオニアとして長年活動してきた風男塾のパフォーマンスは自信に満ちあふれ、若手のael -アエル-とEUPHORIAは勢いのある歌とダンスで先輩・風男塾とは違った魅力を振りまく。このトライアングルが放つ唯一無二のオーラがある限り、今後も“男装アイドル”のファンは増え続けていくだろう。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。『ミュージック・マガジン』や『ジャズ批評』など専門誌を中心に寄稿。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著もいくつか。LOVE FM『Kore“an”Night』にレギュラーで出演中。

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