JYOCHOが語る、“未知の音楽”を追求するクリエイティブの根幹「曲を書く上でアイデアは尽きない」

JYOCHO、“未知の音楽”の追求

JYOCHOが好きな人は世界中に潜在している

はち

一一あと、もうひとつの楽器にフルートを加えたのはなぜだったんです?

だいじろー:当初は予定になかったんですよ。ただ、ギター/ベース/ドラム/鍵盤/歌っていうのは、僕的にけっこう見てきた編成なんですね。ギターを主旋にしてイントロやアウトロを作ることもけっこうありきたりだなと思って。なので、もうひとり主旋律を担えるパートが欲しくて、当初は二胡と尺八を募集したんですよ。

hatch:ほんまに募集してたよな(笑)。

だいじろー:Twitterで。そしたらはちさんが「フルートやってる」って教えてくれたんで、「フルートかぁ……尺八吹けへんのかな?」みたいなDMのやりとりをして(笑)。バイオリンでも良かったんですけど、やっぱ二胡とか尺八がバンドに入るって、まず聞いたことないじゃないですか(笑)。もちろん探してもいなかったんで、フルートっていう流れになったんですけど。

一一面白い(笑)。普通、その発想は出てこない。

だいじろー:音だけで選んで、直感的に面白いかなと思ったんですよね。あと「二胡と尺八」って言いたいじゃないですか(一同笑)。最初はそういうシンプルな気持ちでしたね。1st(『祈りでは届かない距離』)のデモは全部尺八で打ち込みを作ってたし。それをはちさんに近々で覚えてもらって。

はち:一週間なかったからね(笑)。

一一「なぜ二胡と尺八なのか」って、本気で突き詰めれば何か理由があるのかもしれないけど。でも、直感的に新しいもの、今まで見たことないものを思いついてしまうのがだいじろーさん。

だいじろー:日頃からそういうこと考えるクセはつけてて。「今日一日、今までに一回もやったことないことやってみよう」とか。そういうのはけっこうある。

hatch:あの、遠征とか行くと僕とだいじろーが同じ部屋になることが多いんですけど、そういう話をよくするんですよ。

だいじろー:「一日一回、自分を超えていこう!」って。それで何したっけ? あ、お風呂入ったんだ。で、上がってちゃんと頭拭いて、「風呂上がったよー」って言いながらペットボトルの水をかぶるっていう(一同爆笑)。

hatch:せっかく頭拭いた後に、またビッショビショになってて。

だいじろー:「これ見たことある?」って聞いたら「ない」って言ってくれたんで……満足です(一同爆笑)。

hatch:僕も、そういうだいじろーには慣れてたつもりですけど、あれはびっくりした(笑)。普段はそんなことばっかりしてるんで。

はち:……変なの(笑)。

一一そこで笑えるのがいいですよね。理解できないタイプの天才じゃない。

だいじろー:やっぱり僕、退屈なのが嫌で、好きなことやるためにこのバンドやってるから。メンバーにも楽しんで欲しいし。JYOCHOでは僕も楽しいし、メンバーも退屈しないことをやりたい。それは常に頭にあります。

sindee

一一sindeeさんは現状他のバンドもやっていますけど、JYOCHOでしか得られない刺激とか新しさってありますか。

sindee:僕、このバンドに入ってから、なんか自分の音楽生活が変わったんですよ。見方も変わったし、かなり刺激をもらってますね。だいじろーにも、彼以外の3人にも。JYOCHOは僕が一番年上なんですけど、教わることのほうが多くて。すごい抽象的で申し訳ないんですけど、楽しくなりました、音楽が。

一一年を重ねてそう言えるって素敵ですよね。

sindee:そう。自分の中でもどっか退屈なところ、やらなければいけないと思ってることが、バンドをやってると自然と増えることに気づくというか。僕もけっこう退屈しいなんで、普通のベーシストが弾かないベースラインを今まで弾いてきたつもりやったんですよ。でもだいじろーの楽曲に自分のベースを当てたり、だいじろーが提案するベースラインを弾くと「自分って全然新しいことできひんかったんや!」ってわかったり。そこが面白い。

猫田:うん。私も自分で作曲してたけど、もう全然発想が違うから。言葉が合ってるかわからないけど、すごくレベルの高いもの、未知のことも含めて、いいほうに成長できてる気がします。私も楽しくなりました、音楽生活が。

一一JYOCHOを聴くことでリスナーもそういう経験ができます。「あ、こんな発想があるのか」っていう驚きが、より音楽を楽しむことに繋がる。

はち:うん。私は普段オーケストラとか吹奏楽をやっていて、電気モノ(=エレキ)の中でフルート吹く機会もなかったんですよ。でもJYOCHOはどこに行っても珍しがられるから。よくあるバンド……って言うと失礼かもしれないけど、よくあるロックのバンドとは曲もスタイルも全然違うから。このバンドにいるだけで、いろんな新しい出会いがあるのかなって思いますね。

一一だいじろーさんは、将来的にこのバンドでどうなりたいという理想を持っているんでしょうか。

だいじろー:はい。場所はどこでもいいんですけど、JYOCHOが好きな人って世界中にいっぱい潜在していると思ってて。最近の目標は、そういう人たちにちゃんと出会いたいなっていうことで。しっかり届ける活動にシフトしていきたいなと思ってますね。僕は日本人やし日本が好きやし、今まで日本にかなりこだわりを持ってたんですけど、最近はもっと広い世界に向けていきたいと思いますね。実際に行ってみたら、JYOCHOを聴いてくれる人が世界中にいることもわかったんで。そこはさらに広げていきたいなと思ってます。

(取材・文=石井恵梨子/写真=林直幸)

2nd EP 『綺麗な三角、朝日にんげん』

■リリース情報
2nd EP『綺麗な三角、朝日にんげん』
10月9日発売(水)リリース
価格:¥1,200(税別)
作品詳細はこちら

<収録内容>
01. 綺麗な三角、朝日にんげん
02. いつか一人で
03. 遠回りのアイデア
04. Atlas

■ツアー情報
『JYOCHO Tour 2019 “綺麗な三角、朝日にんげん”』
12月7日(土)【愛知】名古屋APOLLO BASE
12月8日(日)【大阪】梅田Shangri-La
12月21日(土) 【東京】渋谷WWW X
※2MANツアー。対バンあり。

10月13日(日) 【大阪】FM802 30PARTY Eggs presents MINAMI WHEEL 2019 @ミナミエリア
公演詳細はこちら

JYOCHO 公式サイト

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