JYOCHOが語る、“未知の音楽”を追求するクリエイティブの根幹「曲を書く上でアイデアは尽きない」

JYOCHOが語る、“未知の音楽”を追求するクリエイティブの根幹「曲を書く上でアイデアは尽きない」

 ギタリスト・だいじろー(ex.宇宙コンビニ)を中心に、2016年からスタートとしたJYOCHOが、10月9日に2nd EP『綺麗な三角、朝日にんげん』をリリースする。1stフルアルバム『美しい終末サイクル』(2018年12月発売)ぶりとなる今作。JYOCHOの代名詞といえるテクニカルなバンドアンサンブルで幕を開ける表題曲「綺麗な三角、朝日にんげん」から、アコースティックギターのアルペジオと猫田ねたこ(Vo/Key)の伸びやかな歌声が調和を見せる「遠回りのアイデア」など、聴き手の想像力を掻き立てる全4曲が収録された。

 現実や空想、人間の内面性から宇宙まで、音楽におけるイメージの枠を拡張し続けるJYOCHOは、ひとつの到達点を見せた『美しい終末サイクル』を経て、次はどこへ向かうのか。音楽ライター・石井恵梨子が、国内バンドシーンでも稀有な存在感を放つ彼らの成り立ちをはじめ、だいじろーの“未知の音楽”を追求するクリエイティブの根幹に迫る。(編集部)

やりたいと思ったことは「不必要なこと」じゃない

JYOCHO




一一初めてライブを見たとき驚いたんですよ。なんて変なバンドだろうって。

一同:ははははははは!

だいじろー(Gt/Cho):よく言われます(笑)。

一一これはJYOCHOにとって褒め言葉になりますか。

sindee(Ba):全然、褒め言葉として。

hatch(Dr):めちゃめちゃ嬉しい。

一一バンドがどんなふうに始まったのか、改めて聞かせてもらえますか。

だいじろー:まず僕がJYOCHOを立ち上げたんですけど、一番のコンセプトは、もうやりたいこと全部やる、みたいな感じでしたね。当時は自分ひとりで活動していくプロジェクト、好きなミュージシャンを集めてバンドっぽくしよう、というイメージがあって。もちろんライブはしたいと思ってましたけど。でも当初は打ち込みで作って、それを音源化するのがひとつのゴールでしたね。

一一そこから今のバンド形態に変わっていくと。

だいじろー:はい。もともと全員が知り合いで。ベースのsindeeさんは前身のバンドとか、その前から縁があったり。あと猫田さんとは弾き語りのイベントで一緒になって。いろんな出演者が出ていたんですけど、声が聴こえてきて「いいな」と思ったら猫田さんだった。それで声かけて。あとhatchくんは最初にメールをもらったんですよね。当時インストバンドをやっていて、音源とかも送ってくれて。そのあとにセッションをやってみて、っていう流れです。で、はちさんは、とあるバンドのマネージャーというか、物販のお手伝いとかしてはって。それの繋がりで知って「私フルートやってる」って聞いたから声かけさせてもらいましたね。

一一音を聴くと繊細で複雑だけど、ライブはめっちゃ汗かいてフィジカルにやってますよね。

だいじろー:そうですね。そこは各々の性質。みんなけっこうフィジカル寄りなんじゃないかなと思ってます。特にここの3人(sindee、hatchを指す)。

一一ライブでまず目を奪われるのは、だいじろーさんの超絶タッピングです。

だいじろー:そうですね。好きで極めてるっていうのもあるし、もともとテクニカルなものが好きで。ソロギターっていうジャンルがあるんですけど、それを自分で追求してた時期もあるんですよ。

一一ソロギターっていうと、押尾コータローさんみたいな?

だいじろー:そうです。まさに。ギターは父や兄の影響で始めて、ファンクとかをやっていたんですけど、一番影響受けたのは押尾コータローさんで。まずコピーして、そこからオリジナルを作ってましたね。

sindee:ちなみに僕、だいじろーを最初に見たのはその頃で。まったく面識はないんですけど、僕はライブハウスの音響をやってて、だいじろーは高校生で。あれってギター始めてどれくらい?

だいじろー:たぶん1年半とか。高2のとき。

sindee:その時にソロギターでやってて、押尾コータローさんの曲かと思ったら「オリジナルや」と。もうほとんどクオリティは変わらない。ディテールで言ったらそこまで及ばないのかもしれないですけど、一般人の耳にはほとんど同じに聴こえる曲。そういうレベルのものを弾いてましたね。よく覚えてる。

だいじろー

一一すごい。高校時代はずっとギターにのめり込んでいたんですか。

だいじろー:いや、僕はあんまりギターにはのめり込まないタイプで。

hatch:え? そう? ……衝撃の事実が今明かされた(笑)。

だいじろー:いや、たとえば「こういう楽曲ができたから、このテクニックが必要だ」とか、その枠ができてからやるタイプですね。どっちかというとギターにのめり込むよりも、作曲にのめり込んでる時間のほうが長いです。

一一作りたい、が先だと。ソロでやろうとは思わなかったんですか?

だいじろー:一時期は考えました。それこそsindeeさんが見てた時期とかはそう考えてたんですけど、それ以降はバンドにハマっていくんです。理論はわからないんですけど普通じゃない、みたいな部分に。

一一バンドって、理論よりも感情や空気によって左右されたりしますよね。

hatch:人と一緒に作る時点で、自分だけの世界じゃなくなるので。何かが起こるかもしれないワクワクっていうのは、確かに人と音楽をやる醍醐味かもしれないです。JYOCHOって、シンプルなビートとコードに歌が乗るだけじゃない、ある意味で余白の少ない音楽だと思うんですけど、そこにさらに化学反応が起きて、思ってもみない展開だったりテンションになっていくのは、やっぱり病みつきになるものがあると思う。

だいじろー:うん。まさにそうですね。

一一今は、ソロギターでやってきたテクニカルな音と、いわゆる歌ものが普通に共存していますけど。これって前例があるものなんですか。

だいじろー:ないと思います。でも最初に言いましたけど、僕、やりたいことを全部やるのが好きで。もちろん引き算が大事なのもわかってますけど、やりたいと思ったことは「不必要なこと」じゃないと思ってて。だからとりあえず全部やっちゃおうって、直感で。

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