TWICE、『Feel Special』は現在の立ち位置を確かめる一枚に 作品に込められた熱い思い

 このミニアルバムではメンバーが作詞した作品が多く収録されているが、いずれも気になる内容ばかりである。ナヨン作詞の「RAINBOW」は、自分を信じて新たな道を見つけようと熱く語り、ジヒョが作詞に関わった「GET LOUD」では、軽はずみな言動に警告を鳴らす。TWICEのメンバー全員で作詞したという「21:29」はファンに向けた曲のようだ。“明日はその場所に/あなたがいなくても/大丈夫、あなたを I’ll remember”という歌詞の温かさが印象に残る。いつも以上に肩の力が抜けて表情豊かなボーカルも成長の跡がうかがえて頼もしい。

 新作『Feel Special』は、現在の自分たちの心境を明らかにしつつ、それを乗りこえようとする意志が込められている。さらに“この9人がそろってこそTWICEなのだ”ということも強調しているようだ。本作が今までのアルバムと決定的に違う点はここにある。K-POPの頂点に立ったものの、その危うさと怖さを知っているがゆえに、より結束力を高めてファンとともに進んでいきたい――。その熱い気持ちをしっかりと受け取ってほしいと思う。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。『ミュージック・マガジン』や『ジャズ批評』など専門誌を中心に寄稿。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著もいくつか。LOVE FM『Kore“an”Night』にレギュラーで出演中。

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