YOSHIKI、嵐、氣志團……出身アーティストたちが復興支援で届けた真心と千葉への愛

氣志團『週末番長』

 毎年千葉県で音楽フェス『氣志團万博』を開催している木更津市出身のロックバンド・氣志團は、今月14・15日に袖ケ浦海浜公園で開催された『氣志團万博2019』の場で“マブダチ募金”と称した募金を実施した。

 台風の被害の大きさにより、一時は開催が危ぶまれたかに思えた『氣志團万博』。今回の決行に際して、團長の綾小路翔は「様々なご意見があることは重々承知の上です」と述べた上で、「俺達の使命はたった一つ。みんなの明日の活力になること」と説明した。イベントには稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による新しい地図、ももいろクローバーZやKing Gnu、DA PUMPや打首獄門同好会など、バリエーション豊かなアーティストが多数出演。綾小路は自身のSNSで「非難をも恐れず、出演してくれた全アーティストの皆さん、複雑な思いを抱えながらも会場にお越し下さり、募金活動にも積極的に参加してくれたご来場者の皆さん、そして何より我々を受け入れてくれた袖ケ浦市の皆さんに一生を賭けて恩返しして行きます」と、イベントに携わったすべての人や地元・千葉の人たちへの想いを真摯に綴った。

 予定通り開催されたイベントに来場した観客から集まった募金総額は1184万4223円。イベントの決行に対し、批判は免れなかっただろうことは想像できるが、氣志團のメンバーやその意志に賛同したアーティストたちのミュージシャンシップ、そして地元住民の真心が、結果的に被災地への大きな支援となったことは事実だろう(参考:ハフィントンポスト)。

 生まれ育った故郷が災害に見舞われた際、一刻も早く何か行動を起こしたいと考える人は多いはずだ。多くの人がもどかしさや無力さを覚えてしまいかねない状況の中、アーティストとしての活動を通していち早く被災地の支援を行う彼らの姿は、地元の人たちだけでなく日本中の人の精神的支柱となるはずだ。

 物資など目に見える形での支援はもちろん重要だが、彼らアーティストという存在は、その存在自体が支援になると言っても過言ではない。寄付であれボランティアであれ、彼らが目に見える形で支援をしてくれたという事実だけで心が励まされたという人はきっと多いに違いない。

■五十嵐文章(いがらし ふみあき)
音楽ライター。主に邦楽ロックについて関心が強く、「rockinon. com」「UtaTen」などの音楽情報メディアにレビュー/ライブレポート/コラムなどを掲載。noteにて個人の趣味全開のエッセイなども執筆中。ジャニーズでは嵐が好き。
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