IZ*ONE年長メンバー=クォン・ウンビ、宮脇咲良、カン・へウォン それぞれが体現する個性

 1999年生まれのカン・へウォンは、日本では「カンちゃん」のニックネームで親しまれている。元々慶尚南道出身だが、2015年にミュージックKのオーディションに合格してソウルに上京し、ハンリム芸能芸術高等学校に転校した。しかし2カ月後、ミュージックK自体がアイドル部門を閉鎖したため、2年の空白の後にHYWYエンターテインメントに移籍した。そこでDAYDAYという女性グループに所属するもデビュー直前で白紙となり、『PRODUCE 48』開催の8カ月前に当時出来たばかりの8Dクリエイティブエンターテインメント練習生となった。事務所の移籍が多く、きちんと決まった期間にトレーニングを受けた経験がなかったため、やはり序盤は特にダンスの面で不足が目立った。しかし自ら“清純派”とアピールするビジュアルと同時に、“4次元”とも形容されるマイペースで人懐っこく、すぐに人と仲良くなれる独自のキャラクターが人気を集めていた。咲良と並ぶゲーム・アニメ好きとしても知られており、デビュー後に出演したテレビ番組『IDOL ROOM』での自己紹介コーナーで、「『進撃の巨人』、アニメの新しいシーズンが始まりますので是非見てください!」と推しアニメのPRをねじこんでいたのは印象的だった。

 グループでは主にラップパートを担当しているが、練習生時代にもラップの経験はなく、『PRODUCE 48』の課題曲で他にやる人がいなかったからという理由で初めて挑戦したのがきっかけである。韓国のアイドルではレアケースで、サバイバルやオーディション番組ならではの新しいキャリア形成スタイルと言えるだろう。

 IZ*ONEのメンバー個人を見ていくと、個人のパフォーマンス上の基礎的技能習得における韓国の練習生システムの強さと同時に、楽曲や技巧面でのある程度のハードルをクリアした後の成長や、個人の人格・ビジュアル・グループ内での立ち位置など総合的なケミストリーが「プロとしてのアイドルの人気」においては不可欠ということが理解できる。各メンバーが自分ならではの魅力を体現しているからこそ、IZ*ONEが日本と韓国の両方で支持されるのだろう。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

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