Red Velvet、IZ*ONE、TWICE……K-POPガールズグループによる、強力な個性伝えるサマーソング

 夏本番がまもなく到来するが、早くもK-POPの人気ガールズグループ――Red Velvet、IZ*ONE、TWICEよりサマーソングが届いた。正式に発売する前の曲もあるものの、ミュージックビデオはすでに公開されている。ひと足先にそれぞれのサウンドについてリリース順にレビューしていこうと思う。

Red Velvet『The ReVe Festival Day1』

 3組の中で最もアグレッシブなのはRed Velvetだ。6月19日にリリースされたミニアルバム『‘The ReVe Festival’ Day 1』のリードトラックである「Zimzalabim」。この音作りは攻めに攻めている。祝祭ムードあふれるドラミングに暴れまくるシンセが絡み、突然さわやかなアイドルポップになったかと思えば、中近東風のミステリアスなリズムに乗せて「ジムサラビム」と呪文をとなえる。

 彼女たちの2017年のヒット曲「Red Flavor」の作者としておなじみのダニエル・シーザーとルドヴィク・リンデルが参加した「Zimzalabim」は、サウンドの隅々から今までのダンスポップを壊して新しいものを生み出そうとする前向きな姿勢が感じ取れる。それでいてRed Velvetが持つガーリー&クールな要素は少しも損なっていないのが驚きだ。このアバンギャルドな作風が現在のK-POPシーンでどう評価されるのか、とても興味深い。

Red Velvet 레드벨벳 '짐살라빔 (Zimzalabim)' MV

 IZ*ONEの日本2ndシングル曲「Buenos Aires」は、今年5月に行われた初のファンミーティングで6月26日のCDリリースが発表されたが、このたびMVが公開となった。タイトルから想像するに、アルゼンチンタンゴをベースした曲かと思いきや、ジャイブ的なノリやEDM、シンセポップをバランス良く混ぜたトラックと歌謡曲らしいメロディラインで独自の世界を演出する。

 韓国では哀愁のムーンバートン路線でブレイクを果たした彼女たちも、日本のマーケットでは別のスタイルで勝負するのがベストだと考えたのだろう。結果的に2つのカラーを持つことになり、それがライバルとの差別化につながった。日本ではアーティスティックに見せることを避け、あくまでも大衆的な目線を大切する。この潔さを高く評価したい。

IZ*ONE (아이즈원) - 'Buenos Aires' MV

 そしてTWICEは“第2章のスタート”と題して新曲を2週連続でリリースする。2つのシングルのコンセプトは太陽と月が放つ“光”とのこと。まずは7月17日に発売となる日本4thシングル曲「HAPPY HAPPY」をチェックしてみよう。こちらは夏の昼をテーマにしたもので、“キュート”“アクティブ”“健康的”といったデビュー当初から変わらないグループのイメージを強調した明快なポップスだ。

 EDMのエッセンスを少し取り入れているものの、全体の印象はストレートなエレクトロポップ。彼女たちの作品の中では、2018年春に韓国で大ヒットした「What is Love?」のサウンドメイクに近い。チアリ―ディング風の掛け声や、〈会えてよかった/どんなときでも/何が起きても/I wanna be with you〉というわかりやすい歌詞、カラフルなMVなど、どれもがTWICEらしさに満ちている。

TWICE「HAPPY HAPPY」Music Video

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