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配信曲「砂漠の花」リリースインタビュー

chayが語る、音楽で表現した等身大の自分「アイデンティティ・クライシス的なものがテーマ」

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 chayが11月13日にニューアルバム『Lavender』をリリースすることが決定し、松尾潔×川口大輔による1stリード曲「砂漠の花」の先行配信がスタートした。

chay「砂漠の花」ミュージックビデオ

 前作『chayTEA』から2年5カ月ぶりとなる通算3枚目のアルバムはドラマ『あなたには渡さない』(テレビ朝日系)の主題歌でCrystal Kayをフィーチャリングゲストに迎えた話題作「あなたの知らない私たち」や富士フイルムのタイアップソング「大切な色彩(いろ)」を含む既存曲5曲を収録。さらに、武部聡志プロデュースのもとで新曲9曲が新たに制作される。その新曲の中の1曲である「砂漠の花」は、彼女のこれまでのイメージを覆し、フューチャーベースの要素を加えたR&Bナンバーなっている。また、彼女はこの夏に公開された矢口史靖監督の最新作『ダンスウィズミー』で女優デビューを果たし、9月17日には初の単行本となる『chay’s BEAUTY BOOK』が刊行される。映画、ニューアルバム、書籍……と新たな挑戦に向かった彼女の“今、現在”の思いとは――。(永堀アツオ)

映画『ダンスウィズミー』出演で得た充実感

chay

――この夏は多方面で新たなことにチャレンジされている印象を受けてました。まず、映画のお話からお伺いしたいんですが。

chay:すごく楽しかったです。演技は初挑戦で、右も左もわからないまま臨んだんですけど、矢口監督からは「あんまり演じようとしなくていい」と言われてて。あの役で言われるのはどうかな? と思いますけど…(笑)。

――(笑)。狂気を帯びていく役柄でした。訳ありのストリートミュージシャン。

chay:デビュー前に私もずっと路上ライブをしていたので、共感する部分も多かったです。路上ライブシーンは、本当に演じるっていうよりも、「懐かしいな」って思いながら、素でやってましたね。あと、叫ぶシーンがあるんですけど、あそこまで叫んだことがなかったので、最初は「はい叫んで!」って言われても、なかなか声が出なくて。そしたら、矢口監督が叫びのレッスンをしてくださって。スタッフさんと5~6人で円になって、「暑いんだよ!」とか、「冷やし中華食いたいんだよ!」とか、みんなが他愛もないことを思い切り叫んで、私が一番最後にセリフを叫ぶっていうのをやってくださって。そしたら、叫べるようになったので、矢口監督はさすがだなって思いました。

――かなりインパクトの残るシーンになってました。

chay:同じ女性としては、やり方は問題だとしても、切ないシーンでもあって。観てくれた方も「意外と切なかったね」っていう人もいれば、爆笑する人やドン引いたっていう人もいて(笑)。なかなか面白いシーンをやらせていただいたので、そんな役をいただけて嬉しかったですし、私のことを知らなかった映画ファンの方も、私のことを知ってくださるきっかけになったと思いますね。chayの活動としてもプラスになったんじゃないかなって思いますし、私も映画が大好きで、もともと矢口史靖監督のファンなので、その作品に携われただけで感無量でした。

――女性三人で歌うシーンはどうでしたか?

chay:三吉彩花ちゃんも、やしろ優さんも、歌が上手くて、リズム感も抜群なんですね。私はいつも一人で活動しているので、単純に楽しかったです。「こんなに仲良くなれると思ってなかった」っていうくらい仲良くなれて。素敵な仲間と出会えたことも感謝ですし、青春を取り戻したっていうくらい、修学旅行感がありました。私は新潟や函館で撮影することが多くて。

――函館も行ってるんですか?

chay:行ってます(笑)。それが楽しくて。撮影がない時もみんなで集まってイカ釣りに行ったりとかして。次の日、朝4時起きで、夜も遅かったんですけど、それでも全然苦にならなかったくらい楽しかった。撮影が遅くに終わっても、優さんのお部屋に彩花ちゃんと二人で遊びに行って。カードゲームしたり、いろんな話をしたりして。でも、またすぐに会いたいっていう感じでしたね。

――監督からはどんなことを求められたと感じてますか?

chay:監督は演技経験者じゃない人だからこそ見せれる演技があるっていうことをおっしゃられていました。私は演技に関しては初めてだったので、オーディションの時にも「私は演技をやったことがないし、できません。だけど、歌だけは歌えます」って言って、監督の目の前で、シンディー・ローパーの「True Colors」と劇中で歌うSugarの「ウエディング・ベル」の2曲をアコギの弾き語りで歌ったんです。レコーディングも自分でギターも録って。とはいえ、映画なので、表現力という面では、普通のレコーディングとは違いました。監督は「自分がやりすぎてまずいって思うくらいやって、やっと、ちょうどよく見えるのが映画だ」っていうことをおっしゃってくださったので、いつも以上に感情豊かに、悲しんでる時は本当に声を詰まらせるくらい、やりすぎかなって思うくらいやっていて。狂気を感じさせるシーンも、やるなら中途半端じゃなく、思い切りやって良かったなって思います。

――白いドレスの衣装もchayさんっぽかったので、当て書きなのかなと思ったくらいでした。

chay:そうなんですよ。しかも、実は映画に出てこない山本洋子の生い立ちや家族構成など、細かいプロフィールがあるんですね。監督はその人物設定をキャストの皆さんに配ってるんですけど、私が山本洋子役になる前から書いているのに、共感することが多くて。やしろ優さんも、「自分の生い立ちまんまじゃん!」って驚いていたんですけど、私も重なるところがあって、びっくりしましたね。

――完成作をご自身で観てどう感じました

chay:初号の試写会は客観視できなすぎて、何にも記憶がないです(笑)。

――あははははは。

chay:手に汗握るとはこのことっていうくらい緊張したし、とにかく、ちゃんとできてるかっていうことだけ気になってしまって。あと、オープニングでクレジットが流れることを知らなかったので、自分の名前がスクリーンに出たっていうことに、味わったことのない気持ちになりましたね。自分以外でいうと、自分が撮影に参加してない箇所がほとんどだったので、あんなにもみんなが歌って踊って、頑張ってたんだっていうのが、ちょっとウルウルしました。

――映画の経験は音楽活動にどんな影響を与えたと思います?

chay:表現力という意味では、1つ壁を打ち破らないといけない経験ではあったと思うので、「あれをやれたんだから」っていう自信にはつながったと思います。あとは、やっぱり、1つの作品をたくさんのスタッフさんと一丸となって一緒に作っていくっていう過程を知れたことかな。もちろん、音楽もたくさんのスタッフさんと作っていきますけど、映画は全然規模の違う人数の方が関わっていて。その1つの作品にかかってる思いや熱量も音楽とはまた違うものを感じましたし、みんなで作り上げていって作品が完成した時の感動や達成感を味わえたので、そういう経験は音楽にもつなげていきたいなと思います。

新作は“アイデンティティ・クライシス”がテーマ

――そして、11月にはニューアルバムのリリースが決定しています。先に『Lavender』というタイトルが発表されました。

chay:まだ制作中なんですけど、1stや2ndと同じようにバラエティに富んだ楽曲が揃っています。ただ、アルバムに入れる曲を並べてみたときに、その中で唯一、共通点を見出してまして。みんな、27~29歳くらいで通る道なんじゃないかと思うんですけど、漠然とした焦りだったり、不安や迷いっていう、ちょっとしたアイデンティティ・クライシス的なものが、1つテーマになっているなって思って。それって、意識して、そういうふうなアルバムにしようと思ったわけではないし、そういう曲を書こうって思っていたわけではなくて。約2年半という期間で、たまたま自分が作ってきた曲を並べたら、全部そうだったっていうことに気づいたんですね。今、自分がそういう気持ちなんだったら、それをテーマにしたアルバムにしたいし、タイトルにしたいなって思ったんですけど、そこで『アイデンティティ・クライシス』にしたら、ちょっとカッコよすぎて、chayっぽくないなと思ってて(笑)。chayらしい世界観の言葉で言い換えられないかなって悩んだ結果、『Lavender』にしました。

――どんな意味なんですか?

chay:ラベンダーの花言葉が、「期待」「繊細」「沈黙」「疑い」「許し合う愛」なんですね。

――chayさんのおばあさんが好きな色というイメージもあります。

chay:あはははは。そうなんです。祖母は紫が大好きで、全身、紫なんです(笑)。ライブではよく言ってますよね。私もすごく好きな色ですし、気品もあって、素敵な大人の色っていうイメージもあります。お花としても大好きなので、『Lavender』がchay的な言い方で言う『アイデンティティ・クライシス』なんじゃないかと思ってつけました。で、このアルバムが出るときに29歳になるんですけど、まさに、『chayTEA』から約2年半の間に思っていた今の等身大の気持ちが詰め込まれていて。それは同世代の女性が抱える悩みではあるけど、女性だけじゃないとも思いますし、誰もが通る思いだと思うので、たくさんの方に聞いていただければな、と。

――第2次思春期だって言う人が多いですね。

chay:本当にそうなんですよ。同級生のお友達も結婚や出産があって、お仕事のことも、このままでいいのかって思う時期なんですよね。過渡期というか、転職をしようかしまいかで悩んでる友人もいますし、自分も書いたらそうだったので、それをテーマにしたアルバムになるんじゃないかと思います。

      

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